オーガニックのヘアカラーとは、有機栽培した植物由来の成分を含んだヘアカラー剤のことを示しています。通常、髪を染めるために使用するヘアカラーは、化学反応を起こして組織を壊しながら染めていきます。
では、オーガニックのヘアカラーとは、どのように染めていくものなのでしょうか。メリットとデメリット、そしておすすめのアイテムをご紹介しましょう。
オーガニックのヘアカラー・白髪染めの特徴とは?
「有機の」という意味を持つオーガニックのカラーや白髪染めとは、どのようなカラー剤であるかご存知ですか?どんな特徴があるか、オーガニックの意味をご紹介しながら解説していきます。
また、オーガニックのヘアカラーや白髪染めには、どんなメリットとデメリットが存在するのかを合わせて確認しながら、おすすめのヘアカラーアイテムもご紹介致しましょう。
「オーガニック」ってどういう意味なの?
オーガニックは、「有機の」という意味を持つ言葉です。化学的な肥料や農薬を使用せずに育てた農産物や植物、その栽培方法を指す時に使うことがほとんどです。
この有機という言葉は、生命を有するものという意味があります。有機栽培で育てるものは、化学肥料などを使用しない代わりに、命を宿す微生物を含んだ有機肥料を使用して育てていきます。
オーガニックとは、生命を有する有機物を活かして、化学的な方法を使わずに育てる方法や植物と覚えておくとわかりやすいでしょう。
日本の有機規格|化粧品やヘアケア用品の規格はナシ
オーガニックは、国やオーガニック機関によって基準が設けられている場合があります。
日本でも農産物や加工食品、畜産、飼料などには、JAS法によって基準を満たしたもののみ、オーガニックと謳うことができるという規定があります。
しかし化粧品やヘアケア用品においては、オーガニック表示のための検査・認証が強制になっていないため、日本国内での規定がありません。そのため、オーガニックではない成分を含んでいなくとも、オーガニックと謳うことも可能となっています。
本物のオーガニックをお求めの方は、海外のオーガニック機関が認める認証マークのチェックや成分表示の確認を行い、オーガニックなものとそうでないものを見極めることが大切です。
オーガニックのヘアカラーや白髪染めの特徴って?
オーガニックのヘアカラーや白髪染めには、どのような特徴があるのでしょうか。
通常のヘアカラーは含まれる成分によって化学反応を起こし、その化学反応によって髪色を脱色していき、色が抜けた部分に色が入っていくことが基本となります。
しかしオーガニックのヘアカラーは、化学的なものを一切使用しないことがベースとなっているため、カラー剤特有の化学反応を起こさずに染めることができます。化学反応を起こさずに染めていくことがオーガニックヘアカラーの最大の特徴です。
オーガニックヘアカラーの効果とは?
化学的な材料や方法を取り入れずに染めることができるオーガニックのヘアカラーや白髪染めには、植物由来成分を原料としたオーガニックならではの髪に嬉しい様々な効果があります。
ここでは、オーガニックのヘアカラーや白髪染めの効果について詳しく紹介していきます。
植物由来成分で髪に優しい
オーガニックのヘアカラーや白髪染めには有機栽培で作られた植物由来の色素をベースに配合している他、トリートメント効果のあるオイルなどの髪に優しい成分が多く含まれているものも多く、ブリーチやカラーで傷んだ髪や頭皮を優しくケアしながら自然な色と艶に染めることができます。
髪を染めることは少なからず髪にダメージを与えてしまいますが、一般的なカラー剤に比べると髪が傷みにくく、トリートメント効果でダメージを補修することができるので、繰り返して染めることが多い白髪染めなどでも安心して使うことができ、頭皮が乾燥しづらく艶やコシのある若々しい髪を維持することに向いています。
匂いや刺激が少ない
一般的なヘアカラーにはシリコンやパラベン、ジアミン等の化学成分が配合されています。
はっきりした色や艶を出すために配合されている成分ですが、シリコンは毛根に溜まって薄毛や抜け毛の原因になったり、パラベンやジアミンは頭皮に刺激を与えアレルギーの原因になってしまうことがあります。
これらの化学成分が少ないオーガニックのヘアカラーや白髪染めなら髪や頭皮への刺激が少なく、カラー剤のアレルギーでかぶれやすくヘアカラーを諦めていた方にもおすすめです。
また、カラー剤特有の化学成分が発生させるいやな匂いが気にならないのも嬉しいですね。
白髪染めや黒染めにもぴったり
植物由来の色素を使ったオーガニックのヘアカラーには白髪染めや黒染めに向いた自然な色合いが多くなっています。オーガニックのヘアカラーだと染まりづらいということはなく、明るい色の髪にもよく染まり自然な色と艶を出してくれます。
先程も説明したとおり、繰り返し使用する場合でも髪や頭皮へのダメージを抑えることができるため、オーガニックのヘアカラーは長く使いたい白髪染めや黒染めに向いていると言えるでしょう。
オーガニックの白髪染めについてはこちらの記事でも、詳しく紹介しています。
環境に優しい
ヘアカラーは髪を染めたあとに流す必要があるため、化学成分を含んだ一般的なカラー剤は微生物による分解が進みにくく、自然に排出されると川などの環境を汚染する恐れがあります。
植物由来の素材を主に使用しているオーガニックのヘアカラーや白髪染めは微生物による分解が進みやすいので、自然に排出されても環境への負荷がかかりにくいのも特徴です。
オーガニックのヘアカラーや白髪染めは髪や身体に優しいだけでなく、環境にも配慮した製品を使いたい方にもおすすめです。
オーガニックのヘアカラーにもデメリットはある?
オーガニックのヘアカラーや白髪染めには多くの良い効果がありますが、購入する前に確認しておきたいデメリットもあります。
オーガニックのヘアカラーや白髪染めが自分に合うものかどうかを判断する参考にしてみてください。
選べる色に限りがある
オーガニックのヘアカラーには髪の色を明るくするための化学成分が含まれていないため、もともと暗い色の髪を明るいトーンの色に染めることはできません。
繰り返し使うことで少しずつ髪の色を明るくすることができるものもありますが、ハイトーンなどの特に明るい色に染めることは難しいです。
また、植物由来の色素を使って染めるため、一般的なカラー剤のような鮮やかな色は少なく、選べる色に限りがでてきてしまいます。オーガニックのヘアカラーを購入する際には自分の染めたい色があるかどうかを確認すると良いでしょう。
金額は高め
有機栽培を行うには手間と時間がかかります。オーガニックのヘアカラーや白髪染めに使われている原料も一般的なカラー剤と比べると製造コストがかかってしまうため、製品の値段も高めに設定されていることがほとんどです。
美容室でオーガニックのヘアカラーを使って染める場合も一般的なカラー剤より染める時間が長くかかってしまうことがあり、金額が高くなっています。
植物成分のアレルギーがある方はパッチテストを
オーガニックのヘアカラーや白髪染めは、一般的なカラー剤よりもアレルギーの元となる化学成分が少ないのが特徴ですが、植物成分によるアレルギーがある方は刺激を感じる可能性があります。
買う前に含まれている成分を確認する他、髪を染める前には必ずパッチテストを行ってアレルギーが出ないかどうかを確認しましょう。
どんな色がおすすめ?
明るい色や鮮やかな色に染めることは難しいオーガニックのヘアカラーや白髪染めですが、
落ち着きのある自然な色合いは幅広く、人気のある髪色にも染めることができます。
染めたときに明るくなりすぎることがない分自然にイメージチェンジをすることができ、髪色をあまり明るくできない場合にも便利です。オーガニックのヘアカラーを使ったおすすめの色について紹介していきますので、好みの色を探してみてください。
アッシュ系
独特のくすみ感が人気のアッシュ系は日本人の髪質ではブリーチで赤みを抑えてからでないと出にくいと言われていますが、オーガニックのヘアカラーならブリーチをすることなくアッシュ系に染めることができます。ブリーチによる髪へのダメージを抑えられるのはうれしいですね。
光りが反射したときにわずかに青みが感じられるブルーアッシュや色味の低いスモーキーアッシュはクールな印象のある艶感を出すことができます。ピンクやベージュなどの温かみのある色を混ぜたアッシュカラーは肌にも馴染みやすく、女性らしい柔らかな色が好きな人におすすめです。
ベージュ系
柔らかい印象のベージュ系も透明感が出しやすく人気のある髪色のひとつで、明るい色味のものから暗い色味のものまで種類が豊富なのが特徴です。自分の出したい印象に合わせて選びやすいでしょう。
グレーを加えたグレージュは赤みを抑えることができ、外国人のような透明感のある上品な印象に染めることができます。透明感だけでなく柔らかい印象も欲しい方にはミルクティーベージュがおすすめ。ブリーチをしないで黒髪から染めるには繰り返し染める必要がありますが、好みの明るさを選ぶことができるので様々な人に似合う色です。
ピンクやオレンジ、暖色系
日本人には暖色系の色が似合うと言われていて、ピンクやオレンジは重たい印象のある黒髪を柔らかで温かみのある雰囲気に変えてくれます。
ピンクは肌に馴染みやすく可愛らしい印象の色です。アッシュやベージュなど他の色と合わせて元の色に女性らしい印象を加えることができるのも人気な理由の一つ。オレンジやカッパーは黒髪に自然な温かみを加えて、重たい印象を和らげてくれます。
美容室へ行かなくても! 自宅でできるオーガニックのヘアカラー・白髪染めを紹介
オーガニックのヘアカラーには、メリットとデメリット両方があります。これらを踏まえた上で、自宅で簡単にセルフカラーが楽しめるカラー剤をご紹介します。
グリーンノート|グリーンノートヘナ オーガニータ ビターオレンジ
グリーンノートの「グリーンノートヘナ オーガニータ ビターオレンジ」は、ECOCERT(エコサート)と言われるフランスの有機認証機関の厳しい基準を通過した、ヘナタイプのオーガニックカラー剤です。
100%有機栽培したヘンナを使用し、白髪にもしっかりとアプローチしてくれます。ジアミンや化学染料、合成着色料に合成保存料などの化学成分を一切使用していないため、アレルギー体質の方にもおすすめのカラー剤です。
色味はオレンジ系の茶褐色で、明るすぎない大人な色味を楽しむことができます。また、白髪のない方もトリートメントとして使用することができますので、パサつきが気になる方は、トリートメント代わりに使用してみるのもおすすめです。
ピアエンタープライズ|かの子のハーバルヘナ31番(ブラック)
数十種のハーブをブレンドしたピアエンタープライズの「かの子のハーバルヘナ31番(ブラック)」は、グレイ系の落ち着いた髪色がお好みの方におすすめの白髪染めです。
オーガニック農法で育てたヘナを使用し、無添加にこだわったオーガニック商品です。また、ハーブの力によりツヤ感とボリュームアップを望むこともでき、枝毛や切れ毛などのダメージ毛も補修してくれます。
雑菌の繁殖や地肌の嫌な臭いも取り除いてくれ、健やかな地肌へと導いてくれます。地肌の臭いや毛根の汚れが気になる方におすすめのオーガニックなヘナタイプカラー剤です。
ジョアンジュ|オーガニック ヘアカラートリートメント <シアーアッシュ>
オーガニックバオバブオイルを配合したジョアンジュの「オーガニック ヘアカラートリートメント <シアーアッシュ>」は、透明感のあるシアーな色味をお求めの方におすすめのオーガニックカラートリートメントです。
カラートリートメントは、通常のトリートメント同様にシャンプーの後に塗布するだけのアイテムであり、アッシュ系に染めた髪色をキープする時に使うのもおすすめです。
しっかりと色を定着させるために10分程度放置し、後は洗い流すだけですので、塗布する技術も必要ありません。トリートメント成分が含まれていますので、カラーを行いながらトリートメントもできる優れものです。
カラーミーオーガニック|COLOURME Organic コパーブラウン
世界39カ国で販売されている、オーガニックハーブを使用したカラーミーオーガニックの「COLOURME Organic コパーブラウン」は、アメリカ・フランス・インドの3つの国のオーガニック認証を受けた白髪染め用のカラー剤です。
化学的なものを一切使用せず100%オーガニックハーブのみで作られたカラー剤であり、天然のトリートメント作用によってダメージヘアを丁寧に補修していきます。
色味はブラックに近いダークブラウン系で、ペースト状のカラー剤を白髪が気になる部分に塗布して染めていきます。上質なオーガニックハーブの恵みが髪と頭皮へと浸透ししていき、頭皮から髪まで健やかなヘア環境を整えます。
ヘナ研究開発センター|オーガネット ブラウン
アメリカとフランスの2カ国のオーガニック認証を受けたヘナ研究開発センターの「オーガネット ブラウン」は、インドにあるラジャスタン州のヘナ産地として知られるソジャットで収穫したヘナを使用したヘアカラーです。
カラーバリエーションは5種類展開されており、白髪が気になる方も自然体に染められる白髪染め用のオーガニックヘナとなっています。
オーガネット ブラウンで使用するヘナの葉は、市場で売られる品の中でも最高品質のものを使用し、さらに目視によって不良の葉を取り除くことにより、安定した商品を作り上げています。品質の高いオーガニックヘアカラーをお求めの方は、是非一度お試し下さい。
頭皮に優しいオーガニックのヘアカラー・白髪染めを試してみて!
オーガニックのヘアカラーや白髪染めは、髪の組織を壊さずに染めることができ、また頭皮への負担も抑えることができるカラー剤です。通常のカラー剤のように明るくはできないものの、白髪に関してはしっかり染めることができます。
また、白髪の無いヘアの方もトリートメントとして使えるヘナもご紹介致しましたので、ご自身の求めるヘアカラーに合わせたオーガニックなヘアカラーを試してみてはいかがでしょうか。
参考:
オーガニック、有機の意味、無農薬との違い、有機農法、有機肥料(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~(農林水産省)
有機農業・有機農産物とは(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
オーガニックコスメの基準と考え方(日本オーガニックコスメ協会)
世界のオーガニックコスメ認証制度の現状(日本オーガニックコスメ協会)