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ヴィーガンのママが母乳で子育てする時に気をつけたいこととは?

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2020.04.10

菜食主義と言われるヴィーガン、ヴィーガンな人たちの中には、子育てをするママもいらっしゃるでしょう。

野菜をベースに摂取するヴィーガンママから出る母乳は、赤ちゃんの身体にどう影響するのか、そして気をつけたいポイントを説明致しましょう。

ヴィーガン・ベジタリアンのママが母乳で子育てする時に気をつけたいこととは

なすびの帽子を被って眠る赤ちゃん菜食主義で知られるヴィーガンやベジタリアンのママが母乳を与えながらの子育ては、果たして赤ちゃんに影響があるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。免疫力の低い赤ちゃんは、なにかと気をつけなければならないことが多いのが現実です。

ヴィーガンやベジタリアンでなくとも母乳で育てたいと思うなら、バランスの取れた食生活を送るのが望ましいでしょう。では、ヴィーガンやベジタリアンの菜食主義であるママさんは、一体どんなところに気をつけるべきなのでしょうか。

結論から言うとヴィーガンやベジタリアンのママの母乳は赤ちゃんに大きな影響があるわけではありません。そのため、ヴィーガンやベジタリアンの方が母乳で赤ちゃんを育てることは可能です。しかし、いくつか注意点も必要なのでそちらも踏まえてチェックしていきましょう。

野菜には、さまざまな栄養成分があります。一見菜食主義者は、バランスの取れた食生活が送れていると思われがちですが、動物性の食品からでしか摂取することができない栄養素もあるため、栄養バランスが偏りやすくなります。

動物性の食品からでしか摂取することができない栄養素の中には、赤ちゃんの成長に必要不可欠なものもあります。赤ちゃんのために多少の動物性食品を摂取することが好ましいですが、必ずしも摂取しなければならないことではありません。

それを補うためのサプリを摂取することがおすすめな手段と言えるでしょう。しかし、サプリの種類もさまざまありますので、必ず授乳中に摂取できるサプリかどうかを確かめる必要があります。

そして過剰摂取は、母乳に悪影響をもたらす可能性もありますので、適切な分量を摂取するよう心がけて下さい。

ビーガン料理・菜食生活では欠けがちな栄養素がある

上記にも記載した通り、ヴィーガンやベジタリアンの菜食主義であるママたちは、不足しがちな栄養素があります。それらのほとんどが動物性食品から摂取するものであり、先ほども説明した通りサプリで補う必要があります。

では、ヴィーガンやベジタリアンの方が不足しがちとされる動物性食品から摂取できる栄養素にはどんな種類があるのか、そしてそれらの栄養素が不足することで赤ちゃんにどのような影響があるのか、それぞれ栄養素とともに説明致しましょう。

1. タンパク質

肉類から最も摂取しやすい栄養素であるタンパク質、豆腐や大豆などからも植物性のタンパク質は摂取することができながらも、やはり植物性のタンパク質のみでは補うことが難しいのが現状です。

成人女性にとって、1日に必要なタンパク質の摂取量は、一日50gとされています。

タンパク質は、主に筋肉の形成に必要な栄養素となり、他にも臓器など爪、髪の毛といったカラダ作りに必ず必要な栄養素となっています。最低限の摂取量を守り、健康な赤ちゃんに育ててあげましょう。

2. カルシウム

乳製品に多く含まれるカルシウム、ヴィーガンやベジタリアンの方は、乳製品を避ける方も多くいらっしゃいます。そのためカルシウム不足を引き起こしてしまう危険性があります。

授乳中のママのカラダは、カルシウムを非常に多く失うため、ママのカラダに残りにくくなります。赤ちゃんのためでもありますが、カルシウムというのはママのカラダのためにも必要な栄養素です。

18歳以上の女性の1日に必要なカルシウムの摂取量は、650㎎~2,500㎎となっています。カルシウム不足なママの骨や歯は、とても脆いのでしっかりと補うようにしましょう。カルシウムは、赤ちゃんの骨作りにも必要となりますので、しっかり摂取するようにしましょう。

3. 鉄分

母乳の主な成分は、血液です。そのため、血液を作るために必要な鉄分も母乳を与えるママにとって、とても必要なものとなります。授乳中は、ママの血液が母乳へと作り変えられることから、貧血になってしまうこともあります。

授乳期のママは、1日8.5~9.0mgの鉄分摂取が必要となります。鉄分は、レバーや魚からだけでなく、野菜からの摂取も可能です。ほうれん草や小松菜、菜の花など主に青菜野菜に多く含まれております。

また、大豆や木綿豆腐などにも含まれていますので、タンパク質と共に摂取することができます。鉄分には、ヘム鉄非ヘム鉄の2種類があり、野菜から取れる鉄分は、非ヘム鉄に属しております。

ヘム鉄に比べて、非ヘム鉄の吸収率が低いと言われていますが、良質なビタミンCやタンパク質と一緒に摂取すると体内への吸収率が上がりますので、積極的に摂取しましょう。ビタミンB12・B6や葉酸は、造血効果をもたらす食材でもありますので、こちらも併せて摂取することをおすすめします。

4. オメガ3系脂肪酸

母乳を与えるママは、オメガ3系脂肪酸の摂取も心がける必要があります。
オメガ3は、多価不飽和脂肪酸に属しており、体内では作り出すことができない必須脂肪酸となっています。

オメガ3系脂肪酸は、主にEPAやDHAなどを含んでおり、魚などの海産物から摂取しやすい栄養素となります。ビーガンやベジタリアンの菜食主義であるママたちは、魚を摂取することがない点からこのオメガ3系脂肪酸が不足しやすくなると言われています。

しかしオメガ3系脂肪酸は、くるみにも多く含まれており、約28gの量で1日に必要な摂取量である2.5gの摂取が可能となっています。魚などの海産物でしか摂取できないと思われがちなオメガ3系脂肪酸は、くるみから摂取すると良いでしょう。

また、オメガ3系脂肪酸の中に含まれるα-リノレン酸は、母乳の8割を占めており、授乳中のママは、EPAやDHAなどよりも多く摂取する必要があると言われております。α-リノレン酸は、アマニ油にたくさん含まれていますので、アマニ油を料理に使用するのもおすすめです。

5. ビタミンB12

ヴィーガンやベジタリアンの菜食主義者が不足しやすい栄養素といえば、ビタミンB12でしょう。ビタミンB12は、動物性食品から摂取できる栄養素であり、血液を作る上で大切な材料となっています。

成人女性の1日に必要な摂取量として、2.4mcgとなっていますが、授乳中のママは、2.8mcgが理想と言われております。血液を作る材料としてだけでなく、ビタミンB12が不足すると体力低下や疲労感、食欲不振にもつながりやすくなります。

体力を消耗しやすい授乳中には必要不可欠な栄養素となりますので、サプリを用いて摂取するようにしましょう。

6. ビタミンD

ビタミンDは、母子共に健康的な強い骨を作るためにとても重要な栄養素となります。1日に必要な摂取量は、5.5mgと言われており、日に当たることで日光から吸収することができます。

しかし日光は、常に浴びることができるものではありません。ヨーロッパなどでは、冬シーズン日光に恵まれない地域もあります。サプリから摂取する方もいらっしゃいますが、ビタミンDは、日光やサプリ以外にキノコ類からも摂取することができます。

魚などからの摂取も可能ですが、キノコ類は魚よりも多くビタミンDを含んでいるため、とてもおすすめな摂取方法と言えるでしょう。

授乳期に積極的に取り入れたい栄養素とは?

上記のさまざまな栄養素は、全て妊娠中から授乳期までとても必要な栄養素となるため、積極的に取り入れたい栄養素となります。

これらに加えて、さらに授乳期には葉酸を取り入れるのもおすすめです。葉酸は、ビタミンB12と同様に血液を作る上で大切な材料と言われております。細胞の生産や再生を助ける役割がありますので、妊娠中から積極的に取り入れるべき栄養素となっています。

摂取カロリーが低くならないように注意しよう!

授乳中は、たくさんのエネルギーを消費する時期でもありますので、カロリー摂取も重要です。母乳で育てる場合、授乳するだけで1日500kcal~700kcal消費すると言われています。

ヴィーガンやベジタリアンなどの菜食主義者の食生活は、摂取カロリーが低くなりやすい傾向にあります。授乳中は、1日2500 kcalの摂取が推奨されていますので、摂取カロリーが下回らないよう心がけるようにしましょう。

野菜や植物性食品だけでは欠けがちな栄養素を気をつけて取り入れよう

親子の横を飛ぶシャボン玉ヴィーガンやベジタリアンなどの菜食主義な授乳中のママの食事は、栄養に偏りが出る場合があります。ビタミンB12やカルシウムなど菜食主義者が不足しがちなものはサプリ等で補い、赤ちゃんの発育に影響が出ないようバランスの良い栄養摂取を心がけましょう。

また、栄養状態や食事などに不安を抱える方は、保健師や産婦人科などで相談に乗ってもらうことで、不安を和らげることができますので、相談してみるのもおすすめです。

赤ちゃんの発育、そして母子共に健康を保つために不足しがちな栄養素を積極的に摂取し、自分に合った子育てを目指してみましょう。

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