More Nature More Nature
色とりどりのマカロン

食品添加物とは? 何に使うの? 危険性があるって本当? 食品添加物について解説します!

eat

2020.04.10

私たちがスーパーやコンビニなどで購入する、ほとんどの食べ物には、食品添加物が含まれています。

なんとなく体に良くないのでは?と思っている方も多いでしょう。しかし、食品添加物についてきちんと説明が出来る人は、あまり居ないのではないでしょうか。

このページでは、食品添加物について詳しく解説していきます。食品添加物が使われている理由や、危険性などについてもあわせてお伝えします。食品添加物について詳しく知りたい方は、ぜひ最後まで読んでくださいね。

食品添加物とは?

電球を使ったクエスチョンマーク

食品添加物とは、市販のお弁当はもちろんですが、おにぎり、カット野菜、菓子パン、ドリンクに至るまで、さまざまな食品に入っているものです。しかし、食品添加物とは一体何なのでしょう?

食品添加物が、あらゆる食品に加えられる理由や目的について、詳しく説明いたします。ではまず、食品衛生法を確認しましょう。

食品衛生法|食品の加工や保存の目的で使用するもの

食品添加物は、食品衛生法と呼ばれる法律で定義されています食品添加物に関わるさまざまな取り決めは、食品衛生法施行規則、食品衛生法施行令、食品・添加物等の規格基準等などで定められています。

食品衛生法では、食品添加物に関して「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によつて使用する物」と記載されています。(※1)

※1:引用元
総務省 食品衛生法(◆昭和22年12月24日法律第233号)

食品添加物にはどんな種類があるの?|指定添加物・天然添加物

食品添加物は、以下の4種類に分類されます。

  • 指定添加物
  • 既存添加物
  • 天然香料
  • 一般飲食添加物

指定添加物は464品目、既存添加物は365品目登録されています。(2020年3月時点)また、既存添加物、天然香料、一般飲食添加物は天然添加物です。

では、それぞれについて詳しく解説していきます。

指定添加物とは

指定添加物とは、食品衛生法第10条に基づいて、厚生労働大臣により使用が認められたものです。甘味料として使われているアスパルテームやサッカリン、着色料として使われている、食用赤色2号などが指定添加物です。

かつての法律では、指定添加物は合成添加物のみを指していました。しかし今の法律では、天然由来の物も指定添加物に含まれています。

例えば、お漬物やチーズなどに用いられるソルビン酸は、化学的合成品の指定添加物です。一方で、清涼飲料水やガムなどに用いられるキシリトールは、果物や野菜に含まれている天然由来の食品添加物です。

天然添加物とは

天然添加物とは既存添加物、天然香料、一般飲食添加物の3つのことです。

既存添加物

昔から日本で使われてきた添加物のことです。既存添加物は、植物、動物、カビなどから抽出されます。例えば、乳化剤としてマヨネーズに添加されているレシチンは、卵黄や大豆などから抽出された食品添加物で、既存添加物に分類されます。

天然香料

天然香料は、動物や植物から得ることのできる、天然由来の物質のことです。カニ香料やバニラ香料などが、香りづけするために使われています。一方で化学物質から作られた香料は、指定添加物に含まれます。

一般飲食添加物

私たちが普段食べている食品の中で、添加物として使われているものです。例えば、着色目的でいちごの果汁を使った場合、一般飲食添加物として扱われます。その他イカ墨、ウコン、ココアなどが着色料として使用されています。

食品添加物はなぜ使われているの?

イチゴと小瓶に入ったサプリメント
食品添加物はなぜ、あらゆる食品に加えられているのでしょうか?食品添加物は、主に以下の理由で使われています。

  • 安全性を保つため
  • 食感や風味を出すため
  • 味や香りを加えるため
  • 栄養分を追加するため

では、詳しく説明していきましょう。

安全性を保つため

本来ならすぐに腐ってしまう食品に、食品添加物を加えると、食品の保存性を向上させることができます。したがって、食中毒のリスクをなくすことや、食べ物の酸化を防ぐことに繋がります。

保存料、酸化防止剤、殺菌料は、安全性を保つ働きをする食品添加物です。例えば、お弁当やお惣菜などに使用されるβ-ポリリジン、魚肉ねり製品などに含まれるソルビン酸などは、保存料として使われています。

ワインに使われている亜硫酸ナトリウム、漬物や果実加工品に含まれるL-アスコルビン酸は、酸化防止剤です。また、殺菌料の食品添加物として知られる次亜塩素酸ナトリウムは、カット野菜を洗う際に使われています。

食感や風味を出すため

食べ物に食品添加物を使うことで、食感や風味を出し、美味しさを演出することができます。

例えば、ぷるんとした食感で美味しい市販のプリンやゼリーには、食品添加物である増粘安定剤が使われています。トランス脂肪酸をスナック菓子に使用することで、サクサクとした食感を持たせることが可能です。

ソーセージやハムなどの風味を改善するために、発色剤である亜硝酸ナトリウムや、硝酸ナトリウムが使用されています。炭酸ナトリウムやポリリン酸ナトリウムなどの食品添加物は、中華めんの風味や食感を作り出すことが可能です。

味や香りを加えるため

食品添加物である香料や調味料を加えると、食品の香りを高め、味に深みやコクを出すことが可能です。味や香りを加える添加物には、着色料、香料、甘味料などがあります。

着色料には、カレー粉などに使われるウコン色素や、イチゴシロップに使用される食用赤色2号などがあります。食用赤色2号は、食用タール系色素と呼ばれる合成着色料です。食用タール系色素には他にも、食用赤色40号や、食用黄色4号などがあります。

香料としては、ご家庭でお菓子作りに用いられる、バニラエッセンスも食品添加物です。また、ダイエット食品、お菓子、清涼飲料水などには、アスパルテームや、ステビアなどの添加物が甘味料として含まれています。

栄養分を追加するため

食品添加物は、食品の栄養成分を補助する役割も担っています。栄養成分を高める食品添加物は栄養強化剤と呼ばれ、食品添加物の表示が免除されています。

栄養強化剤が、栄養価を高める目的以外で使われる場合は、表示が義務づけられています。また、ジャム類、ハム、ソーセージ類などに栄養強化剤が使用された場合は、栄養を強化する目的であったとしても、食品添加物の表示をしなければなりません。

栄養成分を補う食品添加物は、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類に分類されます。ビタミン類にはビタミンAやβカロテン、ミネラル類には乳酸鉄や塩化カルシウム、アミノ酸類にはL―バリンやL-アスパラギン酸ナトリウムなどがあります。

食品添加物に危険性があるって本当?

黄色背景のデンジャラスマーク

食品添加物は、食品に美味しそうな香りや、独特の食感を加え、食べ物の魅力をアップさせてくれます。しかし、食品添加物に危険性はないのでしょうか?

  • 摂取量によっては危険性がある

私たちの食卓に欠かすことができない豆腐には、にがりなどの凝固剤が使われています。にがりなどの凝固剤がなければ、豆腐を作ることができません。

にがりは、多量に摂取するとミネラルやビタミンの吸収を妨げる危険性があります。しかし、にがりには、マグネシウムなどの栄養素も含まれており、適量摂取することは健康に良いといわれています。にがりなどの食品添加物に関しては、摂取量を考慮することで、危険性を回避することが可能です。

  • 海外では禁止されている食品添加物

実は海外では使用が禁止されている食品添加物が、日本では使用が認められている場合があります。

例えば、マーガリンやショートニングに使われているトランス脂肪酸は、健康に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。トランス脂肪酸の使用が禁止、または使用に制限がかかっている国はアメリカ、イギリス、台湾などです。またWHOは2023年までに、人工トランス酸を全ての国から取り除くことを発表しています。

食品添加物には他にも、賛否両論さまざまな意見がありますので、上手に付き合って行く必要があります。

とりすぎには注意!|ADIをチェック

ADIとは、一日摂取許容量のことです。ある物質を毎日とり続けたとしても、現在の科学的知見から見て、安全性に問題がない量として定められています。食品添加物は、ADIを基準として使用量が決められています。

例えば、ソルビン酸のADI(一日摂取許容量)は、ヒトの体重1kgあたり25mgです。したがって体重50kgの人は、一日あたり、1250mgのソルビン酸を摂取しても問題ありません。

食品添加物を少しずつ摂取することに問題がなかったとしても、大量に摂取すると問題が出ることもあります。ADIを目安にし、とり過ぎに注意してください。

普段から商品の添加物をチェックするクセをつけよう

スーパーやコンビニなどで食品を購入する際は、食品の裏などに表示されている、食品添加物の表示をチェックしていますか?

食品によっては、加えられている添加物の数もさまざまです。食品添加物があまり加えられていない食品もあれば、ものすごい数の食品添加物が加えられた食品もあります。

したがって、食品添加物の表示をチェックするクセをつけると良いです。気になる食品添加物については、自分で調べてみるのも良いでしょう。

食品添加物は加工などに使われるもの|摂取しすぎないようにチェックしよう

シリアルをふんだんに使った健康的な朝食食品添加物には、加工食品の腐敗を防いだり、栄養分を高めたりする働きがあります。また、豆腐や中華めんなどは、食品添加物がなければ作ることができません。

しかし食品添加物は摂取し過ぎると、問題が出る可能性もあります。したがって、普段から食べている物の添加物をチェックし、あまり摂取し過ぎないように注意しましょう。

また加工食品にばかり頼らず、自分で調理したものを食べると、より安心感を得ることができますよ。食品添加物の摂り過ぎに注意して、健康的な食生活を送ってくださいね。

参考サイト:
食品衛生法(厚生労働省)
食品添加物の使用基準と成分規格(東京都福祉保健局)

関連するキーワードで他の記事を探す
RECOMMEND