マルチビタミンは薬局やコンビニなどで手軽に買えて便利です。しかし、いろいろなメーカーの商品があって、どれがいいのかわかりにくいもの。さらに、オーガニックの商品となると、お店にもなかなか売っていません。
そこで、今回はオーガニックマルチビタミンに注目。オーガニックマルチビタミンの特徴や、おすすめ商品について解説します。
オーガニックのマルチビタミンってどんなもの?
それでは早速、オーガニックマルチビタミンについて解説していきましょう。オーガニックの意味や、マルチビタミンとはどのような商品なのかを順番に説明します。両者を知れば、「オーガニックマルチビタミン」がどんなものなのか、おのずと見えてくるでしょう。
オーガニックとは
はじめに、「オーガニック」という言葉の意味を理解しましょう。オーガニックには「有機」「有機の」という意味があります。そこから、有機的な栽培方法を行う「有機農業(有機栽培)」や、有機栽培で得られた作物などのことも指すようになりました。
有機農業とは、日光や水、空気など自然のものを生かし、化学肥料や化学的な農薬、遺伝子組換え技術などに頼らずに作物を育てる農業のことです。市場規模がどんどん拡大し、新規参入者も増加しています。
マルチビタミンとは|複数のビタミンが配合されたサプリメント
マルチビタミンとは、体に必要な栄養素の一種である「ビタミン」を複数種類配合したサプリメントの総称です。大きく分けて、水に溶けやすい「水溶性ビタミン」と、脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン」があります。
水溶性ビタミンの例
- ビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・B12など)
- ビタミンC
脂溶性ビタミンの例
- ビタミンA
- ビタミンE
- ビタミンK
それぞれのビタミンが体内でさまざまな働きをしてくれるので、必要に応じて自分に合ったマルチビタミンを選びましょう。
オーガニックマルチビタミンは有機成分を配合したマルチビタミンのこと
オーガニックの意味とマルチビタミンがどんな商品かということがわかったので、オーガニックマルチビタミンが一体何なのかも理解できたことでしょう。
オーガニックマルチビタミンとは、有機栽培した作物の成分(エキスなど)を使用して作られたビタミンサプリのことです。
化学の力を使用して作られる一般的なマルチビタミンに比べ、原料の多くが天然の植物由来であり、比較的安全に摂取できるでしょう。
オーガニックマルチビタミンを選ぶときのポイント
つづいて、オーガニックマルチビタミンを選ぶときに注目したいポイントを解説します。
① ビタミンの種類や含有量は多いか
オーガニックのマルチビタミンには、さまざまなビタミンが配合されています。しかし、どんなビタミンがどれぐらい入っているのかは商品によって異なるため、必要なビタミンが入っていない、もしくは少ないということもありえるのです。
以下でビタミン各種の期待できる効能について解説するので、参考にしながら、欲しいビタミンが多く配合されている商品を選びましょう。
ビタミンA
ビタミンAは、視力を調整する、皮膚・粘膜・免疫の機能をサポートする、といった働きを持ちます。レバー・モロヘイヤ・にんじん・ほうれん草などに多く含まれるビタミンです。
ビタミンAが不足すると、夜盲症や皮膚の乾燥・角質化などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質からエネルギーを生み出す、筋肉の疲労を抑えて神経が正常に働くよう保つ、粘膜や皮膚を健康に保つ、といった働きを持ちます。豚肉・うなぎ・ぶり・豆類などに多く含まれるビタミンです。
ビタミンB1が不足すると、脚気(かっけ)やウェルニッケ・コルサコフ症候群などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変える、粘膜を守って細胞の再生をサポートする、皮膚を健康に保つ、といった働きを持ちます。レバー・かれい・いわし・さんま・納豆などに多く含まれるビタミンです。
ビタミンB2が不足すると、口内炎や脂漏性皮膚炎、舌炎などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質を別の物質やエネルギーに変える、粘膜や皮膚を健康に保つ、といった働きを持ちます。かつお・まぐろ・さば・鶏ささみ・牛もも肉などに多く含まれるビタミンです。
ビタミンB6が不足すると、うつやけいれん、脂漏性皮膚炎、ペラグラ様症候群などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンB12
ビタミンB12は、赤血球の形成をサポートする、神経細胞を修復する、といった働きを持ちます。レバー・牡蠣・あさり・しじみなどに多く含まれるビタミンです。
ビタミンB12が不足すると、巨赤芽球性貧血や末梢神経障害、高ホモシステイン血症などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンC
ビタミンCは、皮膚・粘膜・血管を健康に保つ、抗酸化作用、体内でコラーゲンを作る、といった働きを持ちます。レモン・みかん・キウイ・ブロッコリーなどに多く含まれるビタミンです。
ビタミンCが不足すると、壊血病などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンD
ビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を助ける、骨や歯の形成をサポートする、といった働きを持ちます。かじき・鮭・さんま・きくらげなどに多く含まれるビタミンです。
ビタミンDが不足すると、低カルシウム血症、骨軟化症、子どもの「くる病」などを引き起こす恐れがあります。
ビタミンE
ビタミンEは、ホルモンの分泌を調節する、抗酸化作用により細胞の健康をサポートする、血行を良くする、といった働きを持ちます。植物油・あゆ・はまち・かぼちゃなどに多く含まれるビタミンです。
ビタミンEが不足すると、溶血性貧血などを引き起こす恐れがあります。
②ほかにどんな栄養素が配合されているか
オーガニックに限らず、マルチビタミンには他の栄養素も一緒に摂れるサプリも多いです。ビタミン以外の栄養素もまとめて摂れれば一石二鳥。どんな方にどんな栄養があると便利かという目安も表示するので、状況に応じて参考にしてみてください。
ダイエット中や健康には「ミネラル」
ダイエットをしている方や健康のために栄養補給したい方には、ミネラルが入ったマルチビタミンをおすすめします。「ミネラル」と一言でいってもいろいろな種類があるので、例を挙げてみましょう。
- カリウム:体内のナトリウムを排泄して塩分を調整する
- 亜鉛:体内の酵素を作り、代謝をサポートする
- カルシウム:骨や歯を作るもとになるほか、筋肉や血液などの機能をサポートする
- マグネシウム:体内のほとんどの代謝に関わっているほか、カルシウムとともに歯や骨を形成する
- クロム:インスリンというホルモンの働きを助け、血糖値・血圧・コレステロールのコントロールに関わる
- ヨウ素:甲状腺に多く存在し、代謝を促す「甲状腺ホルモン」の構成成分になる
このように、ミネラルも体の中で大切な役目を持っているので、選ぶときの参考にしてみてください。
スポーツや筋トレをよくするなら「アミノ酸」
アミノ酸は体のパワーの源となる成分で、食事のたんぱく質から補われることが多いですが、ビタミンとともにサプリで補う方法もあります。アミノ酸は大きく分けて、体内で合成できない9種類の「必須アミノ酸」と、それ以外の11種類の「非必須アミノ酸」の2種類です。
必須アミノ酸は、イソロイシン・ロイシン・バリン・リジン・ヒスチジン・トリプトファン・フェニルアラニン・メチオニン・スレオニンで、そのなかでもイソロイシン・ロイシン・バリンの3つは「BCAA」と呼ばれて、筋肉のエネルギー代謝や疲労抑制をサポートしてくれる重要な成分。
日常的に体をよく使う方は、ぜひビタミンとともにアミノ酸を補いましょう。
貧血を起こしやすい方には「鉄」
ご存知の方もいるかもしれませんが、実は、鉄はミネラルの1種です。赤血球を構成する成分で、血液の流れに乗って酸素を全身に行きわたらせる働きをします。
女性には月経があることから、男性に比べて貧血になりやすい方が多いため、貧血予防には鉄がおすすめです。鉄の働きをサポートする「マグネシウム」も一緒に補うと良いでしょう。
妊活・妊娠中なら「葉酸」
項目を分けていますが、実は、葉酸はビタミンB群の1種で「ビタミンM」と呼ばれることもあります。名前に「ビタミン」という言葉が付かないため、意外に感じる方もいるかもしれません。
葉酸は、細胞が増えるのに必要なDNAの合成に関わる栄養素です。妊娠前後の母親の葉酸摂取量が胎児の発育(神経管の形成)に影響する可能性があるとされています。そのため、妊娠を考えている方や妊娠中(特に初期)の方は、ビタミンとともに葉酸を補うと安心でしょう。
③安全性が気になるならオーガニック成分や添加物をチェック
市販の有名なマルチビタミンはほとんどがオーガニックではなく、添加物も含まれている場合が多いです。
オーガニックのマルチビタミンを選ぶときは、どんな有機成分がどれぐらい配合されているかにも目を向けてみましょう。「有機JAS」などのオーガニック認定を受けている商品もあります。
また、オーガニック商品は有機以外の原材料にも配慮していることが多く、無添加の商品もあるのでより安心です。
④GMP認証を受けているとさらに安心
サプリメントには、原材料の仕入れから製造、出荷に至るまでの一連の過程で安全性をチェックする「GMP(Good Manufacturing Practice)」という規格があり、日本語では「適正製造規範」と訳されます。
オーガニックマルチビタミンにおいても、商品によってはGMP認証を受けているものもあります。安全に作られて品質を保っている証として、より安心して摂取することができるでしょう。GMP認証は、医薬品では義務付けられていますが、サプリでは任意のため認証を受けていない商品もあります。
継続するためにはコスパも重要
コスパとは値段が安いだけではありません。そして、サプリメントとは一時的に飲むものではなく、習慣的に継続することでさまざまな効果が期待できるものです。
オーガニックマルチビタミンを選ぶときの基準の1つとして、成分の安全性やオーガニック成分の含有量などと価格を照らし合わせて、自分が納得でき、続けられそうなものを使うことが大切です。
おすすめのオーガニックマルチビタミン6選
前述したように、有名な市販のマルチビタミンのほとんどがオーガニックではありません。そこで、More Nature編集部が厳選したオーガニックのマルチビタミンを6つ紹介します。身近なお店で買えなくても、通販で手に入るので便利です。
ニュー・サイエンス|マルチミネラルビタミン
ニュー・サイエンス社のマルチミネラルビタミンは、アメリカのオーガニックプログラムに認められた「Oregon Tilth」の野菜を原料とし、GMP認証済みの工場で製造されているサプリです。
原材料は、生産地にもこだわった有機のグアヴァ・からし菜・ベニノキ種子など。マグネシウムやカルシウムなど10種類のミネラルと、ビタミンB群など12種類のビタミン、その他4種類の栄養素をバランス良く配合しており、野菜不足が気になる方におすすめです。
ノバスコシアオーガニックス|マルチビタミン&ミネラル アクティブウーマン
ノバスコシア・オーガニックスは、カナダのオーガニックサプリメーカーです。USDA認証済みの原材料や天然由来成分のみを使用し、すべての商品が「USDA」「COR」「有機JAS」いずれかの有機認証を取得しています。
さらに、ホールフードの考え方にならい、植物の種・皮・葉など、素材を丸ごと使用することを心がけています。また、栄養素を壊さないよう低温やフリーズドライ技術を採用しているのも特徴です。
「マルチビタミン&ミネラル アクティブウーマン」は、アクティブな毎日を送りたい女性におすすめ。ビタミンとミネラル豊富な「ヒバマタ」、アントシアニンが豊富な「ワイルドブルーベリー」など、女性にうれしい成分をたっぷり含んでいます。
ノバスコシアオーガニックス|マルチビタミン&ミネラル フォーママ
こちらもノバスコシア・オーガニックスの商品。ママ向けの商品で、海藻やハーブ、果物から得られたビタミン類・葉酸・鉄・カルシウムなど、妊娠中から産後にかけての女性の体に必要な栄養素を19種類も含んでいます。
オーガニックで添加物も使用していないため、ママにも赤ちゃんにもうれしい処方。飲みやすいサイズのタブレットで消化もされやすく、体をいたわりながら栄養補給できるでしょう。
ふれあい生活館ヤマノ|マルチビタミン&ミネラル
USDAのオーガニック認証を受けた、アナトー・セスバニア・グァバ・ホーリーバジル・レモン・アムラという6種類の原材料を使用しています。
ビタミンB群・C・E・ナイアシン・パントテン酸など10種類のビタミンと、亜鉛・クロム・カリウムなど8種類のミネラルが摂取でき、成分の含有量が明記されているのも安心材料です。
カプセル包材はタピオカ由来の植物性で、日本人が飲みやすい小さめサイズ。安全に忙しい女性の美と健康をサポートしてくれる頼もしいサプリです。
マイクロフーズジャパン|オーガニックマルチビタミンミネラル
化学合成されたビタミンやミネラルではなく、自然の恩恵を受けて育ったオーガニック素材を丸ごと(ホールフーズ)使ったマルチビタミン。アメリカ産の有機アセロラや静岡産のせん茶を使用しており、有機JASの認証を受けています。
いきいきとした毎日をサポートしてくれる安心安全なサプリです。
ドクターズチョイス|マルチビタミン&ミネラル 1日1粒
霊芝・まいたけ・キノア・シナモンなど有機の素材をホールフードで丸ごと使用しているだけでなく、酵母と乳酸菌を加えて発酵させ、栄養価をグンと高めたスペシャルなマルチビタミン。
値段は高めですが、そのぶん品質も優秀です。医学博士や薬剤師などの専門家によって支えられている「ドクターズチョイス」ならではのクオリティといえるでしょう。
自然派の方の栄養補給におすすめのオーガニックマルチビタミン!まずは「ノバスコシアオーガニックス」を試してみて
マルチビタミンはいろいろな種類のビタミンやミネラルを補える商品であること、また、オーガニックの場合は化学的な要素を極力使用せず、自然の恵みや天然由来の素材を生かして作られていることがわかりました。
商品例も挙げましたが、どのオーガニックマルチビタミンを使おうか悩んでいるなら、ノバスコシアオーガニックスの商品を試してみてはいかがでしょうか。