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外でストレッチをする若い女性

少食は健康にいい? 少食になるための方法とその際に気をつけたいこととは

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2020.05.01

近年、「少食」が注目されています。健康のために、食事量を減らそうというものです。

興味はありつつも、食べないことは体に悪くないのか、空腹に耐えられるのか、といった不安な面も多くありますよね。

少食の生活を送るには、コツや気をつけたいポイントがあります。少食を始める前に、適切な方法を押さえておきましょう。

少食は健康にいい?

少ないが理想的な朝食

芸能人やアスリートの中には、「少食」を公言している人が多いことをご存じでしょうか。例えば、水谷豊さん、GACKTさんやタモリさんなど。タモリさんといえば32年間、「笑っていいとも!」のMCをほぼ休まずに続けた方ですよね。

すると、「少食は体にいいのだろうか?」という疑問が生まれてきませんか?健康のためには、「一日三食しっかり食べる」と教えられてきた人も多いはずです。必要な栄養を摂取できず、体調を崩してしまうのではないでしょうか……。

ところが、少食にすることによって、次のような効果が期待されています。

  • 寿命が延びる
  • 老化が遅れ、若々しく見える
  • 免疫力が高まる
  • 疲れにくくなる・ストレスに強くなる
  • 体が軽くなる・引き締まる
  • 頭が冴(さ)える など

少食は、健康だけでなく、美容・ダイエットや仕事にもいい影響を与えると考えられているのですね。

ただし、医師の間でも見解がわかれているのが実際のところ。思考力の低下や筋肉量の低下などを指摘する声もあります。決して無理をせず、生活の中に少食を上手に取り入れてみましょう!

できるところから取り入れてみよう

毎日お腹がいっぱいになるまで食べている人が、急に少食にしようと思っても、おそらく失敗するでしょう。たとえ“食べないこと”に成功したとしても、苦しみや不安を感じては長く続きません。

少食は、拒食とは違います。大切なのは、空腹を楽しむこと。できることを一つ一つ、ゆっくりと取り入れていけばいいのです(具体例は下記で詳しく紹介)。

また、厳格に取り組みすぎるのも考えもの。付き合いなどで、どうしても高カロリーのものを、食べたり飲んだりしなくてはいけない場合もあるかもしれません。そんな時は、翌日の食事の量を減らすなどして、調整すればOK。あまり神経質になる必要はありません。気楽に無理せず、そして着実に少食に近づけていきましょう。

すべての人に勧められるわけではない

かといって、少食はすべての人に勧められるものではありません。特に、糖尿病の薬を服用している方、インスリン注射を打っている方は、必ず医師に相談してから行ってください!低血糖発作を起こすリスクがあります(参考『[図解]「食べない」健康法』石原結實/PHP研究所)。

その他、体調に不安のある方も同様に、医師に相談してから取りむようにしましょう。健康のために始めた少食で、健康を害してしまっては元も子もありません。実際に少食の生活を始めた場合も、自分の体調と相談しながら取り組んでいきましょう。

少食にする・なるための方法とは?

皿とフォークとスプーンと野菜

健康のために少食を目指そうとしても、気合いだけで少食になるのは難しいものです。そこで、少食に徐々に“シフト”していくための方法をご紹介していきます。

1. よく噛んで食べる

まずは、よく噛んで食べることです。同じ量を食べても、時間をかけて咀嚼(そしゃく)すると、より高い満腹感を得られます。

人間が満腹感を得るのは、胃に食べ物が入った時ではなく、脳の視床下部にある満腹中枢が刺激された時。食べ物を噛むと「神経ヒスタミン」という物質が分泌され、満腹中枢に働いて食欲を抑える仕組みです。

時間をかけて噛めば、早く満腹感が得られます。結果として、食べる量が少なくなるということです。意識的に噛む回数を増やすといいでしょう。また食材は大きく切っておいたり、一口ごとに箸を置いて食べたりすれば、自然に噛む回数を増やせます。

2. 食べない時間を作る

お腹を減らす時間を意識して作る、というのも大切です。常にお腹が満たされていないと、落ち着かない方もいるでしょう。ですが、そもそも現代の一般的な日本人は食べすぎと言われています。すでに十分なカロリーを摂取していると考えられるので、本来は食べなくていい物もあるはずです。

また「ながら食い」なんて、もってのほか!食事に集中できなくなるため、食べ過ぎてしまいます。少食を目指すなら、食べる時は食べる、食べない時は食べない、とメリハリのある食生活を心がけましょう。

3. お腹がいっぱいの時は食べない

お腹が減ったら、何かを食べたくなるのは当たり前のことです。我慢できないほどの空腹であれば、食べたほうがいいでしょう。

ところが日常生活では、お腹がいっぱいであるにもかかわらず、つい食べてしまうこともあります。例えば、誰かの食べ残しを「もったいないから」という理由で食べていませんか?口寂しいから、「なんとなく」食べてしまうこともあると思います。

これらは意識すれば、すぐになくせる習慣。意味のない食事や間食は減らして、少食の生活にシフトしてきましょう。

少食をする時に気をつけたいこととは?

ヘルスと書かれたパズルのピース

単に食事の量を減らしても、心身ともに健康な少食生活は送れません。少食にする際は、ぜひ気をつけてほしいポイントをご紹介します。

1. いきなり食べる量を減らさない

ストイックな方などは、いきなり食べる量を減らそうと考えがちです。しかし、無理は禁物。途中で挫折したり、場合によっては健康を損なったりする可能性もあります。食べる量は段階的に、着実に減らしていくのがおすすめ。まずは食事の回数はそのままに、食べる量を腹八分目・六分目……と減らしていきましょう。

少食に慣れてくると、断食をはじめてみようと思うかもしれません。近年は、「半日断食」「一日一食」「週末断食」といった言葉を目にすることも多くなりましたね。その際に気をつけたいのは、断食の期間です。

一人でできる断食の限界は、長くても1週間。それ以上の断食を考えている方は、必ずファスティングの有資格者や専門家の管理の下で行うようにしてください。長期間の断食後の食事は、かなり慎重に行う必要があります。

2. 栄養がかたよらないように気をつける

いくら少食が体にいいといっても、やはり必要な栄養を摂取しなければ生きていけません。その分だけ量を多く取る必要はありませんが、バランスのいい食事を心がけましょう。同じメニューだけを食べ続ける、という食生活はよろしくありません。

特に、血糖値が異常に低下すると、失神・痙攣(けいれん)・冷や汗などの症状が現れる場合もあります。一食抜かす場合であっても、糖分と水分は摂取するように努めましょう。食べる量を少なくする分、食事の質にはこだわってくださいね。

自分の体調と相談しながらできることから始めてみよう!

白いタンクトップを着たヨガをする女性

少食には、健康や美容などさまざまな効果が期待できます。しかし、急に少食になるのは、至難の業。よく噛んで食べる・食べない時間を作る・お腹がいっぱいの時は食べないことなどを心がけ、少しずつ食事量を減らしていきましょう。いきなり量を減らすことはせず、栄養バランスにも気を配ってください。

少食は、場合によっては健康を害するリスクが高まるため、すべての人に勧められるものではありません。健康状態の良い方であっても、体調と相談しながら取り組むことが大切です。少食を始めようという方は、決して無理をせず、できることから始めてみてくださいね!

参考:
女性自身「水谷豊、タモリ、たけし…有名人が実践する「1日1食」」
糖尿病ネットワーク「よく噛めば食欲をコントロールできる 食事の満足感も高まる」

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