様々な料理に欠かすことができず、お酒のおつまみや軽食など、色々な場面でひっぱりだこのチーズ。
美味しく手軽に、食卓に華を添えてくれるチーズですが、主原料は牛や山羊など動物の乳で、ヴィーガン(ビーガン)の人たちは食べることができません。
しかし、植物性の素材から作られたヴィーガン向けのチーズも増えてきています。ヴィーガンだけでなく、乳アレルギーがある人なども安心して食べることができる「ヴィーガンチーズ」をご紹介します
ヴィーガンチーズとは?
ヴィーガンチーズとは、名前の通りヴィーガンの方へ向けて作られたチーズです。普通のチーズと違い、動物由来の素材を一切使わず、植物性の素材だけで作られています。
乳製品以外からチーズを作ることができるなんて不思議に思いますよね。ここからは、ヴィーガンチーズの原料や製法について詳しく触れていきます。
乳製品の代わりに豆やナッツを使って作るチーズ
ヴィーガンチーズの主な原料は、大豆やカシューナッツやアーモンドなどの豆、ナッツ類です。豆乳やアーモンドミルク、ライスミルクなど、牛乳の代替品とされる植物性のミルクを使うこともあります。
足りない脂肪分は、ココナッツオイルやオリーブオイルなど、こちらも植物由来の素材から作られたオイルで補充。また、チーズといえば発酵・熟成がされている食品ですが、ヴィーガンチーズには発酵の過程が入りません。
風味を似せるために味噌、塩麹、酒粕などの発酵食品、チーズらしい酸味を足すためにレモンを加えたりした製品もあります。
他にもガーリックやドライトマトを練り込んだり、バジルや海藻を入れたものや、パルメザン風の粉チーズなど、普通のチーズと遜色ないほど豊富なバリエーションがあります。
ニュートリショナルイーストとは?
ヴィーガンチーズには、ニュートリショナルイーストというものが使われることがあります。日本ではあまり聞いたことのない物ですが、海外では、ヴィーガンチーズを作る時にお馴染み。
ニュートリショナルイーストとは、サトウキビやビーツの糖蜜を発酵させたスーパーフードの一種です。チェダーチーズのような風味があり、ヴィーガンチーズに本物のチーズらしさをプラスしてくれます。
なんと、古代エジプトでも使われていたほど歴史のある食べ物で、必須アミノ酸やビタミンB群など、ヴィーガンに不足しがちな栄養価が豊富に含まれています。ヴィーガンチーズ作り以外にも、そのまま食べたりサラダに振りかけたりなど使い道は様々です。
パンやワインと楽しんで! ヴィーガンチーズのおすすめ商品情報
ヴィーガンチーズを食べてみたいと思っても、一般のスーパーマーケットではなかなか見かけることができないかもしれません。しかし、オンラインショップではたくさんのヴィーガンチーズが販売されています。
ここからは、おすすめのヴィーガンチーズをいくつかご紹介します。ぜひご家庭で、パンやワインのお供に召し上がってみてください。
Terra Foods|まるでチーズ! ソイチーズ セミハードタイプ
もともと植物性代用肉で作ったヴィーガンハンバーガーを、キッチンカーで販売していた「Terra Foods」。豆乳とココナッツオイルから作られた、「まるでチーズ!!セミハードタイプ」というヴィーガンチーズを製造しています。
こちらの商品は乳製品のチーズと同様、豆乳を発酵させて作られているため、発酵食品に近づけるための香料を添加していません。大豆の優しいうま味やコクが活かされています。
Terra Foods|まるでチーズ!!セミハードタイプ 250g
マリンフード|私のヴィーガン97%植物シュレッド
「マリンフード」から販売されている「私のヴィーガン97%シュレッド」は、ヴィーガン対応の動物性原料不使用だけでなく、食物アレルギー特定原材料等28品目も不使用で、食物アレルギーを持つ方や小さなお子様も安心して食べられます。
ピザ用チーズのように細断されたシュレッドタイプで、どんな料理にも使いやすく、ゴーダチーズと比べてコレステロールが99%以上カットされている、ヘルシーなヴィーガンチーズです。
マリンフード|私のヴィーガン97%植物シュレッド
スイーツも! ヴィーガン・チーズケーキ
ベジタリアン・ヴィーガン用の食品を専門に取り扱う「グリーンズベジタリアン」から、チーズケーキをご紹介します。
「休日のヴィーガン・チーズケーキ」は主に豆腐を使い、コクを出すためにアーモンド、さらに隠し味に梅酢と白みそが入っています。チーズを一切使用していないにも関わらず、クリーミーな食感とレモンのさわやかな風味が広がる、濃厚なベイクドタイプのチーズケーキ。
ジャムを添えたり、解凍せずそのままアイスケーキとしても美味しく召し上がれます。
グリーンズベジタリアン|休日のヴィーガン・チーズケーキ
自宅で作るなら! おすすめレシピ&レシピ本を紹介
ヴィーガンチーズは自宅でも簡単に作ることができます。体に優しく低カロリーなヴィーガンチーズを作ることができたら便利ですよね。
ここからは、作り方の一例やおすすめのレシピ本をご紹介します。材料も、ネット通販を利用すれば手に入れられるものばかりですので、一度ご自分の手で作ってみるのはいかがでしょうか。
ヴィーガンカッテージチーズ
発酵させないで作るチーズの代表ともいえる、カッテージチーズ。牛乳を使わず作る、ヴィーガンカッテージチーズの作り方をご紹介します。
材料
- 無調整豆乳、またはアーモンドミルク 500ml
- レモン汁、またはリンゴ酢、穀物酢、バルサミコ酢など 大さじ4
作り方
- 豆乳を鍋に入れ、沸騰する直前まで温める
- 火を消しレモン汁を鍋に入れて、混ぜ合わせたら分離するまで放置する
- 15~20分ほど置いて分離したら、ザルにガーゼを敷いてボウルに重ね、鍋の中身を入れ1時間~半日ほど置き、水気を切る
- 最後に軽く絞って完成
分離した液体は、ヨーグルトの上澄み(ホエイ)のように栄養がたくさん詰まっているので、捨てないようにしましょう。そのまま砂糖を加えて飲んでもOKです。
できあがったチーズは、お好みで塩やガーリックパウダーを振りかけていただきましょう。野菜と和えてサラダにしたり、サンドイッチの具にしたりと、いろいろな料理に使うこともできます。
ヴィーガンチェダーチーズ
チェダーチーズの特徴は、なんといっても熱を加えたときのトロトロの食感。さきほどご紹介したニュートリショナルイーストと、アガーという海藻の抽出物から作られた、寒天のような凝固剤を使った作り方をご紹介します。
ニュートリショナルイーストはチーズのような風味があるので、より一層チーズらしいヴィーガンチーズができあがります。
スライスしてそのまま食べたり、パンに乗せてチーズトーストにしても美味しいですよ。
材料
- 豆乳、またはアーモンドミルク 300ml
- 水 100m
- カシューナッツ(ナッツ類なら何でも) 50g
- 塩 小さじ1
- ニュートリショナルイースト 大さじ1~2
- ココナッツオイル 大さじ1
- レモン汁、またはリンゴ酢、バルサミコ酢 大さじ2
- アガー、または寒天 大さじ2
作り方
- ブレンダーにアガー、レモン汁以外の材料を入れて撹拌する
- 鍋に湯を沸かし、アガーを完全に溶かす ※温度は90度以上必要
- アガーが溶けたらブレンダーへ入れ、他の材料と撹拌する
- 撹拌したものを鍋に移して加熱し、沸騰したら弱火にしてよく混ぜながら2~3分煮詰める
- 火を止めてレモン汁を加えて混ぜ、容器に移して冷蔵庫で冷やし固めたら完成
おすすめレシピ本! 『乳製品を使わないヴィーガンチーズ VEGAN CHEESE』
最後に、ヴィーガンチーズのおすすめレシピ本をご紹介します。
著者のmarikoさんは、ローフードのシェフ・講師としてアメリカで活躍されています。豆腐や豆乳から作るヴィーガンチーズから、ナッツを発酵させて作るような本格レシピまで多数紹介されています。
チーズの作り方だけでなく、作ったチーズを使ったアレンジレシピや、豆乳マヨネーズなどのヴィーガン調味料、チーズタルトなどのスイーツレシピも。「健康で美味しい!」を目指して作られたレシピで、ヴィーガンチーズの食事をご家庭で楽しんでみませんか?
ヴィーガンチーズで食事をもっと楽しもう!
ヴィーガンチーズは、植物性の素材から作られたベジタリアン・ヴィーガン向けのチーズです。原材料に牛乳を使用していないので、牛乳アレルギーの方でも安心して食べることができます。ただし、大豆やナッツなどにアレルギーがある方は食べられないので、何から作られているか、原材料を確認するようにしてください。
ヴィーガン向けの食材を取り扱うネットショップで購入することができますし、ご家庭で豆乳から手作りすることも可能です。ヴィーガンに興味があるなら、ヘルシーで美味しいヴィーガンチーズを食卓に取り入れてみてくださいね。