気づくとチョコやアメなど甘いものを食べている、甘いものを口にしていないとイライラする、毎日スイーツやデザートを食べないと気が済まない…そんなあなたは「砂糖中毒」かもしれません。実は、砂糖には依存性があります。
ただの「甘いもの好き」を超えて砂糖中毒になってしまうと、体にもさまざまな悪影響を及ぼす可能性があるのです。健康で長生きするために、砂糖中毒の症状を知り、あなたの砂糖依存度をチェックしてみましょう。
砂糖中毒とは甘いものをとらずにいられない状態のこと
砂糖中毒というのは、甘いものを口にしていないと気持ちが収まらず、イライラしたりソワソワしたりと気持ちが落ち着かなくなってしまうことです。甘いチョコレートやケーキを食べている間は心が満たされますが、食べ終わってしばらくするとまた食べたくなり、つい2個目、3個目と手を伸ばしてしまいます。
なぜこのような症状が起きるのか、仕組みを簡単にお伝えしましょう。砂糖を口にすると、血糖値が上昇します。特に、空腹時にいきなり甘いものをおなかに入れると、血糖値の上がり具合が急激になります。
すると、血糖値を下げる働きをするホルモン「インスリン」が大量に分泌されます。インスリンがたくさん出ると血糖値が急低下するので、体がいわゆる「低血糖」の状態になるのです。
低血糖になると、脳が身の危険を感じて「血糖値を上げろ」という指令を出します。そこで、体は血糖値を手っ取り早く上げてくれる「甘いもの」を欲してしまうのです。
さらに、砂糖を摂取すると、脳では「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」、また「ドーパミン」やなどの物質が分泌されやすくなります。「甘いものを食べると幸せ」と感じるのはこのためです。甘いものを食べた時の快感を体が覚え、もっともっとと欲するようになるので、欲望の赴くままに糖分をとり続けていると、気づいたときにはすっかり砂糖に依存してしまっていることがあります。
砂糖は「マイルドドラッグ」とも呼ばれ、依存性が高い食べ物です。とりすぎると肥満になったり、白髪やシミ、シワなど美容面に悪い影響が出たりする可能性が高くなります。
さらに、砂糖中毒が進行すると、糖尿病や骨粗しょう症、動脈硬化、アルツハイマー、うつなどの病気を引き起こす危険性があります。たかが砂糖と思っていた方もいるかもしれませんが、早めに対策しないと大変なことになるかもしれないのです。
私も砂糖中毒になるかも? 甘いものがやめられない人へのチェックリスト
砂糖中毒とは具体的にどのような状態なのでしょうか。「自分も甘いものばかり食べている」というあなたは、以下の9つの内容がどれぐらい当てはまるのか、セルフチェックをしてみてください。
ただし、当てはまるものが多かったからといって、必ずしも砂糖中毒だとは限りません。ストレスや疲労など、原因がわかれば症状を軽減できる可能性もあるので、気になる方は一度ストレス内科や心療内科などで専門医に相談しましょう。
1. 甘いものを食べないと落ち着かない! 我慢してるとイライラする
常に甘いものを口にしていないとイライラするというあなたは、砂糖中毒のおそれがあります。甘いものが口に入ってさえいれば、気持ちが穏やかでいられるタイプの方です。
砂糖にはドラッグのような依存性があり、食べていれば落ち着くというのは、脳から幸せホルモンがたくさん出るため。糖分をとっていないといら立ち、我慢できないほど甘いものを欲するようなら要注意です。
2. 甘いものを食べないとぼんやりとしてしまう
甘いものを食べないとボーッとしてしまうというあなたも、砂糖中毒かもしれません。砂糖の過剰摂取は、ビタミンB1不足の引き金になります。ビタミンB1は疲労回復や集中力などに効果的な栄養素。不足すると脳がうまく回転しなくなり、ぼんやりボーッとしてしまうのです。
3. ストレスを感じると甘いものが食べたくなる
ストレスがかかったときに甘いものを欲する人は、砂糖中毒の可能性があります。甘いものを食べると幸せホルモンが出るので、ストレスが解消されたような気分になれます。なので、ストレスが多い人は、ストレスのたびに甘いものをたくさん食べすぎ、砂糖中毒になってしまうことも。
ストレスを発散するには、甘いものを食べる以外にも、趣味に打ち込んだりスポーツをしたりする方法があります。砂糖ばかりに頼りすぎないことが大切です。
4. お腹はすいてないはずなのに食べたくなってしまう
おなかが空いていなくても甘いものを食べたくなってしまうあなたは、砂糖中毒かもしれません。すでに中毒になっていると、空腹じゃなくても脳が甘いものを欲しがるのです。一種の禁断症状といえます。気を紛らわせ、甘いもののことを考えないで済むよう、集中できることを行うと良いでしょう。
5. アメやチョコを持ち歩いて、しょっちゅう食べている
甘いお菓子を常に持ち歩き、気がつくと口にしている…というあなたは、砂糖中毒のおそれがあります。1つ分は小さくて少量のアメ玉やチョコレートの粒も、1日に10個も20個も食べれば中毒になりえます。ドキッとした人は、いつも食べているアメやチョコの量を、まずは1つ2つ減らすところから始めてみてはいかがでしょうか。
6. ひとつだけのつもりが……気づくとお菓子を食べすぎていることがよくある
おやつの時間、1つだけ食べようと思って開けたお菓子の箱が、気づいたら空になっていた…なんてことはありませんか?このように、たびたび無自覚に甘いものを食べすぎてしまう人も、砂糖中毒要注意と言えるでしょう。1つと決めたらほかは目に見えないところにしまい、食べすぎには十分気をつけたいところです。
7. 甘いものを食べると元気になる
甘いものを食べて気分がスッキリし、元気になるのは、人間の体の仕組み上、正しいことです。でも、だからといってしょっちゅう繰り返している人は、砂糖中毒になる可能性が高くなります。
落ち込んだとき、リフレッシュしたいとき、なんとなく元気が出ないときなど、甘いものを食べたくなるのはわかりますが、量や頻度には注意が必要です。
8. 年々甘いものを食べる量が増えている
歳を重ねて甘いものを食べる量が増加している人は、砂糖中毒になる可能性があります。砂糖の中毒性が長年の間に体内に蓄積されて、年齢が進んでから発症することもありえるからです。
「若い頃はこんなに甘いものを食べていなかったな」と思い当たったあなたは、食べる量を見直してみてはいかがでしょうか。
9. 甘いものを控えようと思っても、やっぱり食べてしまう
自分で気をつけて「甘いものを減らそう」と決意したのに、つい食べてしまって後悔する…。甘いものをなかなかやめられないあなたも、砂糖中毒のおそれがあります。
自分の意志で何とかしたくても自制が効かないのは、意志が弱いのではなく、中毒になってしまっているからかもしれません。完全に「食べない」のは難しいですが、糖質の少ないお菓子を選んだり、セットで飲むドリンクは甘くないものを選んだり、砂糖の摂取量を少し減らす努力をしてみましょう。
食べすぎに気づいたら|まずは少しずつ間隔を開けるところから始めてみよう
チェックリストはいくつ当てはまったでしょうか。あなたの砂糖中毒の可能性を知るための指標ではありますが、当てはまる数が多くても落ち込まなくて大丈夫です。自分で始められる対策をしつつ、砂糖や甘いものと向き合ってみましょう。
お菓子を買うときに糖質の量をチェックする、甘いものの買い置きを減らす、甘いものを食べる時間の間隔を5分でも10分でもいいので長くするなど、小さな一歩でかまいません。程よい距離感を保ちながら、甘いものと付き合っていけたら良いですね。