人体への安全性や自然環境への影響を気にする方が増える昨今、コスメ用品もオーガニックな商品が増えています。ここではオーガニックコスメの中から、アイシャドウについて詳しく解説していきます。
おすすめのオーガニックアイシャドウもご紹介しますので、気になったものがあればご自分のメイクに取り入れてみてください。
オーガニックのアイシャドウとは? 普通のアイシャドウとどこが違うの?
アイシャドウは目元に色を乗せて華やかな印象を与えたり、陰影をつけて立体的に見せてくれるアイテムです。
普通のアイシャドウには、素材の分離を防ぐための界面活性剤や防腐剤などの化学成分が使われていますが、オーガニックのアイシャドウはそういった化学成分を使用せず、自然由来の成分から作られています。
オーガニックってどういうこと?
そもそも、オーガニックとはいったいどういうものなのでしょうか?オーガニックという言葉は日本語で「有機」という意味で、転じて化学肥料や農薬に頼らず自然の力を生かした農業方法や生産物を指します。
農林水産省からは以下のように定義されています。
- 化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない
- 遺伝子組換え技術を利用しない
- 農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する
つまり、オーガニックとは人体に優しいだけではなく、土壌や空気、水などの汚染をできる限り抑えた自然にも優しい生産物。有機栽培の原料から抽出された成分を配合した化粧品を、オーガニックコスメと呼びます。
日本にはコスメや美容アイテムの有機規格がない
日本国内で定義されているものは、農産物・加工食品・飼料・畜産物の、主に食品に関する4種類です。化粧品などに関してはオーガニックの基準が定義されていないので、「オーガニック機関認証」などのマークが入った商品は、海外のオーガニック機関の認定を受けたものです。
オーガニックアイシャドウと銘打っていても、認証マークが入っていなければアイシャドウとしてオーガニック認定されているわけでなく、一部にオーガニックな原材料が使われているということです。
オーガニックのアイシャドウとは? 普通のアイシャドウとの違いを解説
ではオーガニックのアイシャドウと、普通のアイシャドウの違いはどこにあるのでしょうか。
ここからは、オーガニックアイシャドウについて詳しく説明していきます。
1. 有機栽培された天然由来成分を使用している
オーガニックアイシャドウは、有機栽培された素材から抽出した天然由来の成分を使用しています。アイシャドウとしてオーガニック認証されていなくても、原材料に日本国内の規定に沿った有機栽培の定義を満たしたものが使われている場合は、オーガニックアイシャドウとして販売されていることがあります。
2. 界面活性剤やタルク・防腐剤などを使用していない
普通のアイシャドウには界面活性剤やタルク、防腐剤など、化学的に合成された成分が使用されています。タルクとは滑石という鉱石を粉砕して作られた粉末で、アイシャドウ以外にもファンデーションやベビーパウダーなど様々なものに使われています。タルク由来のベビーパウダーはアスベスト(石綿)混入の危険性があったり、発がんリスクが少なからずある、と言われています。
これら化学成分が使われていないのが、オーガニックアイシャドウの特徴です。
オーガニックのアイシャドウのメリット・デメリットとは?
オーガニックのアイシャドウは実際使用するにあたって、普通のアイシャドウと比べるとどうなのでしょうか。オーガニックアイシャドウにはさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
ここからはメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
オーガニックのアイシャドウの3つのメリット
オーガニックのアイシャドウは、天然由来の成分から作られたためさまざまなメリットがあります。まずは、3つの主なメリットについて解説します。
1. 肌への負担が少ない
オーガニックのアイシャドウは前述したとおり、化学的に合成された成分を極力使わず、有機栽培された素材から抽出した素材を使用しています。化学的に合成されたものがすべて肌に悪いというわけではありませんが、精製度が上がるにつれ効果が高まる一方、刺激が強くなってしまうなどの副作用も大きくなってしまいます。
オーガニックのものは天然由来の素材から精製された成分を使用しているので、肌への負担を抑えることができます。また、防腐剤が使われていない物も多いので、肌にいる常在菌を排除してしまうことがなく、肌が本来持っている持つバリア機能や皮脂バランスなどを壊すことなくメイクができます。
2. せっけんで簡単に落とせるものが多い
メイクを落とす時クレンジングを使う方がほとんどだと思いますが、クレンジングには界面活性剤が配合されています。界面活性剤はメイクのような油汚れや毛穴汚れを溶かして落とす、洗浄力の強いものなので少なからず肌への負担になってしまいます。オーガニックのアイシャドウはクレンジングを使わず、せっけんで簡単に落とせるものが多いです。
肌への負担が大きいクレンジングを使わずに落とせるということは、刺激が少なく肌に優しいと言えますね。
3. 環境にも優しい
有機栽培された素材を使うということは、環境に配慮した農業方法で生産されているということなので、大気や土壌汚染につながる科学肥料や農薬を使用しないため、結果として環境保全に繋がります。
また、化粧品や日用品は毒性を調べるために動物実験も行われますが、オーガニックコスメは動物実験が行われていないものもあります。コンピュータシミュレーションで結果を得たり、植物から抽出したタンパク質でテストをしたりと、代替実験を利用する国・メーカーも。自分の体だけでなく、環境や動物にも優しいアイシャドウです。
オーガニックのアイシャドウの3つのデメリット
人体にも環境にも優しいオーガニックのアイシャドウですが、良いことばかりではなくデメリットも存在します。3つの主なデメリットについても解説します。
1. お値段が高め
オーガニックのアイシャドウは素材や製法にこだわり、品質の良い素材を使い手間暇かけて作られているため、どうしてもお値段が高めになってしまいます。海外でオーガニック機関の認証を受けた外国製のものも多く、輸入コストや関税がかかることも理由のひとつです。
2. 使用感が劣る場合がある
化学合成された成分には、滑らかさを出して伸びを良くしてくれたり肌触りを良くしたり、発色を鮮やかにする目的のものもあります。これらの成分を使用していないため、普通のアイシャドウより使いにくくなってしまうものも少なくありません。
防腐剤や酸化防止剤が使用されていないこともあり、使用期限が短かったり保存に手間がかかってしまうことも。
3. アレルギーや肌荒れが起きることもある
オーガニックのアイシャドウは確かに人体にも環境にも優しいですが、植物アレルギーを持っている人は要注意。天然由来の成分を使用しているからこそ、それが原因でアレルギーが起きてしまうことも。
サンプル品などから始めて、いきなり顔ではなく腕の内側などの肌で必ずパッチテストを行って下さい。また、お肌に異常が出てしまったらすぐに使用を中止し、医師へ相談して下さい。
メイクアップに欠かせない! オーガニックのおすすめアイシャドウを紹介
アイシャドウは目元に華やかな印象を与えてくれるため、メイクアップには欠かせません。
最後に、特におすすめのオーガニックアイシャドウを2つご紹介します!近くの店舗で購入できなくても、インターネット通販を利用すれば簡単に手に入りますよ。
LOGONA|アイシャドー<トリオ>
ロゴナは厳選されたオーガニック素材を原料に使い、化学合成された色素、香料、防腐剤やパラフィンなどの石油系精製物も極力避け、動物実験にも反対しているドイツのコスメブランドです。
アイシャドー<トリオ>はおすすめの3色がひとつのコンパクトに収められ、簡単に美しいグラデーションを作り出すことができ、アレンジも自由自在。目元を保湿する成分や、目元を引き締め整えてくれるオーガニックエキスが入っています。
スモーキー・カシミヤ・ローズウッド・オーシャンの4色のパターンがあり、オフィス向けのナチュラルな色合いから華やかなパーティメイクまで幅広く使えます。
SHIRO|ジンジャー アイシャドウパレット
日本のコスメブランドSHIRO(シロ)は、開発から販売まですべて自社で担い、海外にも展開しています。ジンジャー アイシャドウパレットは厳選されたベースカラーとアクセントカラーの4色がひとつのパレットになっています。
パウダリータイプですが質感はしっとりとしており、鮮やかな発色が長時間継続。ジンジャーの名前の通りショウガ根油が配合されていて、ほんのりとショウガの香りがします。ショウガ根油にはお肌を整える効果があり、くすみがちな目元を明るい印象にしてくれますよ。
自分好みのカラーを見つけて目元を美しく彩ろう!
オーガニックのアイシャドウはお肌に優しいだけでなく、環境にも配慮されたコスメアイテムです。目元は肌の中でも弱く荒れやすいため、刺激の低いオーガニックのアイシャドウを使ってみませんか?
ご紹介したもの以外にもおすすめのアイテムはたくさんあります。それぞれのカラーバリエーションやブランドコンセプトも参考にして、自分にぴったりのアイシャドウを見つけてくださいね。