アメリカ南西部からメキシコの北部が原産となるホホバから抽出されるホホバオイルは、保湿力に優れたオイルとして化粧品などに使用されています。
そんなホホバオイルには、有機栽培で作られたホホバの種子から採取したオーガニックのホホバオイルがあります。
オーガニックの意味や栽培規定などを確認しながら、オーガニックのホホバオイルについて解説します。
オーガニックのホホバオイルとは?
オーガニックのホホバオイルとは、どんなオイルであるかご存知ですか?
オーガニックとは、化学的な要素を極力取り除いた有機栽培のことを指す言葉であり、その有機栽培で育てたホホバの種子から抽出されたオイルのことをオーガニックのホホバオイルと言います。
では、オーガニックのホホバオイルとは、具体的にどんなオイルなのか、そして普通のホホバオイルとはどのような違いがあるのかについて解説しましょう。
オーガニックのホホバオイルは普通のオイルとどこが違うの?
オーガニックのホホバオイルは、有機栽培したホホバの種子から抽出されたオイルのことを指します。
普通のホホバオイルは、オーガニックのホホバオイルと違い、栽培や加工に規定がないことから、化学的な成分などを含んだオイルです。
オーガニックのホホバオイルと普通のホホバオイルの違いは、原料となるホホバの栽培方法にあります。
オーガニックのホホバは栽培する農地に規定がある
有機栽培して育てるホホバを含んだオーガニックの植物は、厳格な規定に沿って栽培する必要があります。
有機栽培は、3年以上化学的な農薬や肥料を使わない土地で育てるという規定があり、化学的なものに頼らずに育てることで、土壌汚染や大気汚染などを防ぎます。
化学的な要素を取り除くことで、環境への負荷を極力減らし、地球環境を考慮した生産方法となっています。
オーガニックのホホバの栽培には肥料や農薬の使用に制限がある
オーガニックのホホバを栽培するには、農薬や肥料に化学的な要素を極力含まないことが基本となります。
肥料には、堆肥や米ぬかなどの有機肥料を使用し、農薬にも日本の有機JASや海外のオーガニック認証機関で決められた農薬を使用するという制限があります。
オーガニックには殺菌剤や殺虫剤などの農薬を使ってはいけないと思いがちですが、規定の範囲内の農薬のみ使用が認められています。
「オーガニック」と呼ばれるためには製造工程も重要!
オーガニックのホホバオイルは、栽培方法だけでなく、製造や加工の工程にも定められた規定があります。通常、オイルなどの化粧品関連の製品には、人工着色料や防腐剤などといった化学的な成分が含まれていることがほとんどです。
オーガニックの製品には、加工段階で使用する着色料などにも天然由来の成分を使用する必要があります。製造工程においても化学的な要素をできる限り含まないことが重要になります。
【注意】日本には化粧品のオーガニック認証がない
ホホバオイルを含むオーガニックの化粧品は、有機栽培した植物のエキスや天然由来の成分によって作られている化粧品です。
しかし日本では、化粧品に対するオーガニックの規格がありません。日本で定められている有機JAS規格は、農産物・加工食品・畜産・飼料のみ基準が設けられています。
有機JASの規格には、化粧品が含まれていないことから、化学的な成分が含まれている化粧品もあるということを押さえておく必要があります。
自分に合うオーガニックのホホバオイルを見つける4つのポイント
オーガニックにまつわる規定や普通のホホバオイルとの違いを確認したところで、次は自分に合うオーガニックのホホバオイルの見つけ方についてご紹介しましょう。
知っておくと便利なオーガニックホホバオイルの選び方をご案内します。
1. 認証マーク&証明書をチェック
オーガニックホホバオイルは、日本の有機JAS規格に含まれていない化粧品の一種ではありますが、海外ではエコサートやUSDAなどといったオーガニックの認証機関があります。
これらのオーガニック認証機関では、オーガニックの基準をクリアしたことを示す認証マークがあります。
ホホバオイルがオーガニックであることを確認するには、パッケージに記載されている認証マークをチェックしてみましょう。
また公式のサイトなどには、オーガニックであることを証明する証明書などを記載するオーガニックホホバオイルもありますので、サイトをチェックしてみるのもおすすめです。
2. 未精製と精製は自分の肌に合うものを選ぶ
オーガニックのホホバオイルには、未精製のオイルと精製したオイルの2種があります。
精製とは手を加えることを指します。手を加えることで、オイル本体に含まれる不純物を取り除くことができます。
未精製のオイルと精製したオイルでは、それぞれに違う特徴を持ち合わせています。それぞれの特徴を確認して、自分のお肌にどちらのタイプが合うのかをチェックするのも一つの手段です。
未精製のホホバオイルとは?
未精製のオーガニックホホバオイルは、手を加えていないオイルであることから、色が濃く、香りが強いという特徴があります。
手を加えることを表す「精製」を行っていないことから、素材本来のホホバオイルであることが伺えます。未精製のホホバオイルは、素材が持つ成分そのままを取り入れることができるオイルです。
精製するということは、加工を行うため、含まれる成分が壊れてしまう可能性があります。特にビタミンEは、精製することで取り除かれてしまうため、スキンケア効果が落ちてしまいます。
抗酸化作用など老化防止に効果的なビタミンEを積極的に取り入れたい場合には、未精製のホホバオイルが適しています。
しかし未精製のホホバオイルは、稀に体質に合わないことがあります。敏感肌の方は特に、パッチテストを行なってから使用するようにしましょう。
精製されたホホバオイルとは?
精製されたオーガニックホホバオイルは、使用しやすいように手を加えたホホバオイルであるため、比較的アレルギー反応などが出づらいオイルと言われています。
ホホバオイルを精製する際には、脱臭工程があるため、心地よい香りに抑えてくれます。また精製したホホバオイルは、長期保存可能なように手を加えられているため、酸化しにくい特徴もあります。
しかし手を加えている分、ホホバオイル本来が持つ成分を壊していることから、効果としてはやや劣ってしまいます。
お肌の状態に合わせて、それぞれのオイルからご自身のお肌に合うオイルを選ぶことをおすすめします。
3. 圧搾方法をチェックしよう|溶剤抽出法・低温圧搾法
ホホバオイルは、ホホバに含まれる油分を抽出して作るオイルです。このホホバのオイルを抽出するには、溶剤抽出法と低温圧搾法という代表的な2つの抽出方法があります。
溶剤抽出法とは、エタノールやヘキサンなどの溶剤を含ませて抽出する方法です。香りがしっかりと残りますが、その分濃縮された混合物も残ります。
一方で低温圧搾法は、熱を加えることなく圧を加えて搾り出していきます。低温で圧を加えていくことで、ホホバ本来が持つ栄養素を壊すことなく抽出することができるため、効能の高いオイルになります。
低温圧搾法は、余計なものを使用せずに抽出できるオイルであるため、敏感肌の方にも嬉しい抽出方法です。
4. 値段よりは品質を重視しよう
オーガニックのホホバオイルは、原料の栽培から加工まで、普通のホホバオイルに比べて手間暇をかけて作り出すオイルです。
そのため、製品の価格が高くなりやすい傾向にあります。しかしオーガニックのホホバオイルは、全て高いものとも限りません。
値段の高いものが必ずしも良いものというわけではないため、製品の品質チェックも自分に合うオーガニックのホホバオイルの選び方となります。
ネットで購入できる! おすすめのオーガニックホホバオイル3選を紹介
オーガニックのホホバオイルの特徴を理解したところで、実際に取り入れたいと考える方のためにおすすめのオイルをご紹介します。
ネットで簡単に手に入るものを厳選致しましたので、是非チェックして下さい。
KISO|オーガニックホホバオイル
フランスのオーガニック機関であるエコサート認証を取得したKISOのオーガニックホホバオイルは、お肌に薄い膜を作りながら乾燥を防いでくれるオイルです。
洗顔後のブースターとしての使用やクリームなどに混ぜて使用することも可能なため、お肌の状態や季節に合わせて取り入れ方を変えてみると良いでしょう。
US Organic|オーガニックホホバオイル
アメリカのUSDA認定を取得したUS Organicのオーガニックホホバオイルは、契約農家から直接取り寄せたホホバの種子を使って作るオイルです。
毎年微妙に変わるホホバの種子をチェックし、品質の良いものだけを選んで使用しています。
スキンケアはもちろんのこと、髪の毛やメイク落としなどにも使用できる万能なオーガニックホホバオイルです。
自然化粧品研究所|オーガニック ホホバオイル・ゴールデン
自然化粧品研究所のオーガニック ホホバオイル・ゴールデンは、お肌に必要なビタミンやミネラルを含む色素を残しながら、香りを抑えた使いやすいホホバオイルです。
ペルーの有機農場から取り寄せたホホバ種子から抽出したオイルを使用し、サラッとした質感の使い心地の良いオイルです。
オーガニックのホホバオイルをケアに取り入れよう!
オーガニックのホホバオイルは、栽培から製造の加工までこだわり抜いたオイルです。
スキンケアから髪の毛の保湿ケア、マッサージなど用途もさまざまなオイルとなっていますので、気になる方は、是非手にとってみて下さいね。
参考:
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
オーガニックコスメの基準と考え方(一般社団法人日本オーガニックコスメ協会)