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緑が綺麗な葉っぱ

有機栽培茶ってどんなお茶?選び方やおすすめ商品も紹介

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2022.01.11

緑茶や紅茶、ルイボスティーなど、お茶には様々な種類があります。どのお茶も、リラックスしたり、それぞれの風味を味わったりと、様々な楽しみかたができますね。

楽しいお茶の時間をさらに安心して過ごすためには、安全な方法で作られた有機栽培のお茶の利用がおすすめです。今回は、そんな有機栽培のお茶が、具体的にどういう基準で作られているのかについて解説します。

さらに、おすすめの有機栽培茶も併せてお伝えするので、有機栽培のお茶を試すきっかけにしてくださいね。

有機栽培のお茶と普通のお茶はどこが違うの?

茶葉を干している少女

一般的に、お茶の原料となる茶の木などを栽培するときは、防虫や除草、また生育を助けるために農薬・化学肥料などが使用されます。

一方で有機栽培のお茶は、農薬や化学肥料を使用せずに自然の恵みを生かした、人と自然に優しい農法が実践されています。ここでは有機栽培の基本的な定義を解説します。

有機栽培(オーガニック)とは|化学肥料や農薬を使用しない生産方法

日本では平成18年に策定された「有機農業推進法」に、有機栽培について具体的に定義されています。

それによると有機農法とは、「科学的に合成された肥料、農薬を使用せず」「遺伝子組み換え技術を利用しない」ことを基本として、「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する」栽培方法と定義されています。

日本には、こうした自然に優しい農法で育てた農作物や加工食品などを、有機栽培であると認証する制度があります。それが「有機JAS規格」です。

日本で有機認定を受けるには?|有機JAS規格

「有機JAS規格」とは、日本における有機栽培の農作物や加工食品に対して、農林水産省が認定を与える制度です。認定されるには厳しい条件をクリアする必要があります。

「有機JAS規格」に認定されると、農作物や加工食品などに「有機JASマーク」を貼ることができます。日本の法律では「有機JASマーク」が表示されている商品にのみ、「有機」や「オーガニック」といった名称を使用することが許されています。

お茶が有機栽培認定を受けるために必要な2つのこと

お茶は農作物ではなく、摘み取った茶の葉を加工して作るため加工食品に分類されます。商品として有機栽培のお茶を販売するには、農作物としてだけでなく、加工品としても「有機JAS規格」として認定される必要があります。

ここからはお茶が有機栽培認証を受けるための、2つの必要なことを解説します。

1. 有機認定農園での茶葉の有機栽培

お茶が有機認証を受けるために必要なことの1つが、有機JAS規格に順じた栽培法に基づいて栽培されることです。

有機農産物を育てる畑(農園)は、3年以上農薬や化学肥料を使用していないことが求められます。有機認証を受けた後も、年1回、認定業者の厳しい検査を受けて、認証を更新する必要があるのです。

2. 有機認定加工工場でお茶に加工

加工食品であるお茶が有機認定を受けるために必要な2つ目のことが、加工工場で行われる製造工程においても、有機JAS規格の認定を受けることです。

具体的には、農産物加工品が有機JAS規格の認定を受けるためには

  • 原料の95%以上が有機農産物・有機畜産物であること
  • 科学的に合成された食品添加物を使用しない
  • 物理的または生物の機能を利用した加工方法を用いる

などの基準をクリアする必要があります。

製造過程と、先ほどお伝えした農園での二種類の認定を受け、初めて商品に有機JASマークを表示できるのです。

有機栽培茶を選ぶポイント


有機栽培のお茶は、自然の力を生かしながら丁寧に製造されていることがわかりました。つづいては、有機栽培茶の選び方のポイントを解説しましょう。

1. オーガニック認証マークの有無

日本には有機JASというオーガニックの認証規格があることを前述しました。世界的に見ると、地域や国によって有機JASとは異なる認証制度が存在します。そして、それぞれ独自の基準を設けてオーガニックの認定を行っているのです。

では、海外にはどんな有機認証があるのかというと、

  • ヨーロッパの「EUオーガニック」
  • アメリカの「USDAオーガニック」
  • イギリスの「SOIL ASSOCIATION」

などがあります。認証ごとに固有のマークがあるので、マークが付いた商品を選べば間違いないでしょう。

2. お茶の種類|日本茶・紅茶・ルイボスティーなど

一言で「有機栽培茶」といっても、

  • 日本茶:緑茶やほうじ茶など
  • 紅茶:ダージリンやアッサムなど
  • ハーブティー:ルイボスティーやカモミールティーなど

といったようにさまざまな種類があり、味も香りも色も異なります。

自分はどのようなお茶が好きなのか、好みで選ぶのも良いですし、商品の解説などをチェックして新しい味のお茶に挑戦してみるのも良いでしょう。

また、有名な産地の有機栽培茶を選ぶ方法もOK。産地ごとに味や香りなどの特徴があります。

日本茶なら、京都・静岡・鹿児島などが有名です。紅茶はインドやスリランカなど、ハーブティーは使用されるハーブによって異なるので、原産地で作られているものなどを選ぶと良いでしょう。

3. 淹れ方

有機栽培茶の淹れ方にはいくつかのタイプがあります。お茶を飲む場面を想像しながら、ふさわしそうなタイプの商品を選ぶのも1つの手です。それぞれの特徴とともに紹介しましょう。

茶葉タイプ

茶葉(リーフ)タイプの有機栽培茶は、文字通りお茶の葉をそのまま商品化したものです。自分で好きな量を急須に入れて、濃さを調節できます。

お湯の中で茶葉がじっくり開いていくので、お茶らしい香り高さや深い味わいを感じられるでしょう。お茶本来のおいしさをゆったりと堪能したい方におすすめです。さらに楽しみたいなら、急須や湯呑みといった茶器にもこだわってみましょう。

ティーバッグタイプ

ティーバッグに1回分の量が小分けされたものもあります。飲みたいときにカップに入れてお湯を注ぐだけなので、手間いらずです。

作り置きにも適しており、大容量の容器に淹れて適温で保管すればOK。処理も簡単で、使用済みのティーバッグをゴミ箱に捨てるだけです。もっとも手軽に扱えるタイプといえるでしょう。

粉末タイプ

粉末(パウダー)状に加工された有機栽培茶もあります。

そのまま溶かして飲む場合、商品によってはダマになりやすいこともあるので、はじめに適量の粉末と少量のお湯を入れて溶かし、その後お湯や水などを飲みたい量だけ足すと良いでしょう。さらに、飲んでいる途中に時々かき混ぜると最後まできれいに飲めます。

また、細かいパウダーなので混ざりやすく、お茶風味のスイーツやラテを作るのにおすすめです。

ギフトに使える商品も!人気のおすすめ有機栽培茶10選

水色のやかんと湯呑

ここからは緑茶や紅茶など、色々な有機栽培のお茶をご紹介します。どのメーカーも積極的に食品の安全や安心に取り組んでいるので、安心して飲むことができますよ。気に入ったもがあれば、ぜひ試してくださいね。

伊藤園|まるごと茶カテキン

有機栽培のお茶を細かい粉末状にした「伊藤園」の「まるごと茶カテキン」は、コップに入れてお湯や水を注ぐだけで、おいしいお茶が出来上がる手軽な商品です。急須が必要無いのもうれしいですね。

また、粉末状になっているためお茶を丸ごと摂取でき、普段は捨ててしまう栄養成分も、手軽に摂ることができますよ。有機栽培のお茶なので、丸ごと食べても農薬などの心配が必要ありません。安心、手軽な粉末緑茶です。

筑邦製茶|生産者の見える 知覧 有機栽培茶

「筑邦製茶」が取り扱う「生産者の見える 知覧 有機栽培茶」は、九州最大のお茶どころ鹿児島で自然の恵みをたっぷり受けて育った茶葉を使用しています。土にこだわり品質にこだわった、安全安心でおいしい有機栽培のお茶です。

味は濃い目で、しっかりした味わいがお好きな人にとくにおすすめ。また香りもよく、鼻に抜けるお茶の風味が癒しのひとときを与えてくれますよ。

がばい農園|有機栽培 菊芋茶

「がばい農園」の「有機栽培 菊芋茶」は、お茶の葉ではなく菊芋を原料にしたお茶です。有機栽培の菊芋を天然水で洗浄・あく抜きし、手作りで製造されています。

有機JAS認定のほか、定期的に残留農薬検査、細菌検査、放射能検査を実施し、品質の維持に努めています。また、金属検査の実施や無漂白のティーバッグを使用するなど、細部にも安心・安全を貫く姿勢が見られます。

味はえぐみが無く、香ばしさが感じられます。「健康によい」と評判で、身体のために飲み続けている人も少なくないようです。

日東紅茶|オーガニック紅茶 オリジナルブレンド

紅茶で有名な「日東紅茶」。日東紅茶の「オーガニック紅茶 オリジナルブレンド」は、インドやスリランカで大切に育てられた有機茶葉を使用し、日本国内の工場で製造されています。

香り豊かでこくのある、優しい味わいを楽しめるブレンドで、ストレートティーとしてだけでなく、ミルクティーとしても楽しめます。

製品は金属の留め具不使用で、さらに香りと鮮度を封じ込める密封個包装になっています。いつでも安全に、新鮮な味を堪能できますよ。

ナチュラルショップなごみ|ルイボスティー オーガニック

ルイボスティーは、南アフリカの厳しい環境で育まれるルイボスを原料にしたハーブティーです。ノンカフェインなので、カフェイン摂取を避けたい妊婦さんや子どもも楽しむことができますよ。

こちらの商品は、一般的なルイボスティーよりもクセがなく優しい風味で、万人受けするタイプの味になっています。「ほかのルイボスティーよりも飲みやすい」と感じる人も少なくないようです。

商品は、生産から輸入、梱包作業まで、ナチュラルショップなごみが徹底的に管理しています。価格もお手頃なので、気軽に安全なルイボスティーを楽しみたい人におすすめです。

河村農園|有機栽培 グリーンルイボスティー

ルイボスティーは通常、ルイボスの葉を発酵させて作ります。発酵過程を経たルイボスティーを抽出すると、紅茶に似た美しい赤い色が現れます。

一方、ルイボスティーにはルイボスをあえて発酵させずに急速に乾燥させる「グリーンルイボスティー」という種類もあります。グリーンルイボスティーは赤みの薄いオレンジ色で、通常のルイボスティーよりスッキリとした味が楽しめます。

「河村農園」の「有機栽培 グリーンルイボスティー」は、有機栽培のルイボスを発酵させずに仕上げたグリーンルイボスティーで、アンチエイジング効果が期待できるフラボノイドが豊富に含まれています。

お湯出しはもちろん、加工段階では蒸気殺菌が行われているため、暑い夏には水出しでも安心して楽しむことができますよ。

国太楼(くにたろう)|有機粉末玄米緑茶入り

「国太楼」は創業者の中村国太郎氏の名前にちなんで命名された社名で、「太く芯がぶれない」「摩天楼のように高く成長」「日本一を目指す」という意味が込められています。お茶・コーヒー・紅茶などの製造販売を行っている企業です。

「有機粉末玄米緑茶入り」は、国産有機玄米と鹿児島産有機緑茶をブレンドした、溶けやすい粉末タイプのお茶。有機JASの認証を取得しています。玄米の香ばしい香りと渋みの少ないお茶の味わいをお楽しみください。

播磨園製茶|有機三年番茶ティーバッグ

有機宇治茶の自園製造卸元である「播磨園製茶」。朝晩の寒暖差が大きく水はけのよい自然豊かな京都府宇治は、お茶の栽培に適した気候風土です。丹念に有機栽培された茶葉を加工し、製品として世に送り出しています。

「有機三年番茶ティーバッグ」は、有機JAS取得済みの商品。3年以上かけて育成したお茶の葉と茎を刈り取り、蒸して干して乾かしたのち、熟成させてから焙煎した「三年番茶」のシリーズです。

手軽に味わえるティーバッグタイプで、有機茎棒や有機ほうじ茶などをブレンドしているので、香ばしく深みのある味を楽しめます。

SONNENTOR(ゾネントア)|女性のためのお茶

オーストリアで設立された「ゾネントア」は、オーガニックと天体のリズムをかけ合わせた「バイオダイナミック農法」で栽培されたハーブを使用して、ナチュラルで香り高いハーブティー製造を行っています。

「女性のためのお茶」は、有機JASとEUオーガニックの認証を取得した商品。オレンジピールやローズといった有機ハーブの中に有機シナモンなどでアクセントを利かせており、女性のすこやかさや輝きをサポートします。ギフトにもおすすめしたい、素敵なパッケージデザインです。

CLIPPER(クリッパー)|オーガニックハーブティー スノア&ピース

クリッパーは、イギリスで初めて有機紅茶を取り入れたといわれるオーガニックティーブランドです。オーガニックだけでなく、エコ素材を使用して自然環境に配慮し、フェアトレードによって生産者たちの生活支援にも貢献しています。

スノア&ピースはEUオーガニック認証済みのハーブティー。カモミールの甘い香りやラベンダーの穏やかな香りのなかに、レモンバームやスペアミントの爽快な香りが感じられます。おしゃれなパッケージでプチギフトにもおすすめです。

有機栽培のお茶は生産や加工方法に厳しい条件がある!特におすすめなのは播磨園製茶

きなり色のコーヒーカップ
日本で「有機」や「オーガニック」と表示するには、農林水産省が認める「有機JAS規格」の厳しい条件をクリアする必要があります。有機JAS規格に認定された商品には有機JASマークを表示することができるため、食品を選ぶときにはマークの有無をチェックしてみてください。

さまざまな種類の有機栽培茶の中から、今回は10商品を取り上げました。一番のおすすめは播磨園製茶の「有機三年番茶ティーバッグ」です。

お茶の本場、京都の宇治田原にある自社農園で有機栽培茶を育て、安心安全な製茶を行っています。ティーバッグで簡単に淹れられて、ホットでもアイスでも飲めることや、価格が比較的手頃な点もおすすめポイントです。

各商品それぞれに違った香りや味わいを楽しめるので、気分や用途に合わせて試してみてくださいね。

参考:
有機農業関連情報(農林水産省)
有機農業・有機農産物とは(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
有機農産物の日本農林規格(農林水産省)
有機加工食品の日本農林規格(農林水産省)

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