最近では安全性を考えて、有機栽培(オーガニック)の食品・商品を選ぶ人が増えていますね。日本で販売されている有機栽培は、法律や規格によって安全性が守られているので、安心して利用できますよ。
この記事では、法律や規格によってどのように有機栽培の安全性が守られているのかを解説します。さらに、オーガニック商品を利用したい人のためにおすすめしたい、4つのネットショップをご紹介します。
有機栽培の安全性は高いってほんと? 日本の有機JAS規格とは
有機栽培は安全、というイメージを持つ人は多いですが、本当に安全性は高いのでしょうか。日本の有機栽培の安全性は、法律や規格を知ることによって理由がわかります。
ここでは日本の法律の下、有機農業がどのように行われているのか、また、日本で安心して有機栽培食品・商品を購入するために知っておきたい「有機JAS規格」について解説します。
日本における有機栽培の定義とは
農林水産省では、有機栽培(有機農業)について『生物の多様性、生物的循環及び土壌の生物活性等、農業生態系の健全性を促進し強化する全体的な生産管理システム』と定義しています。
具体的には、
- 化学合成資材を使わずに、動植物由来の廃棄物を利活用する
- できるだけ環境に負荷をかけないで、農産物を育てたり加工したりする
などの手法が用いられています。
有機農業には関する法律がある|有機農業の推進に関する法律
法治国家である日本には、有機農業に関する法律も存在します。平成18年に策定された「有機農業の推進に関する法律(有機農法推進法)」です。
有機農業はこの法律に従って行われています。ここからは法律に記されている有機農業のポイントを、順にご紹介します。
化学的に合成された肥料・農薬の使用禁止
法律には『化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと』とあります。化学合成資材を使用しない代わりに、動植物由来の廃棄物などを肥料として利用することが求められます。
遺伝子組み換え技術の利用の禁止
法律には『遺伝子組換え技術を利用しないこと』とあります。遺伝子組み換えの種子で育てた農産物などは、有機農法で育てても有機農産物とは認められません。
自然環境への負荷をできる限り低減した生産方法
法律には『農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる』とあります。例えば除草をするとき、草を刈るなど物理的な方法を選択して、除草剤など自然環境に負荷を与えないよう努めることが求められます。
実際に、農林水産省が取りまとめた「環境保全型農業直接支払交付金最終年評価」によると、有機農業を行っている田畑では、農薬や化学肥料を使用している田畑よりも、農業に有用な生物が多く存在することが分かっています。
有機JAS規格とは|有機食品の検査認証制度
日本には有機栽培であることを国が認める制度、「有機JAS規格」があります。農産物や加工食品などが有機JAS規格に認められると、「有機JASマーク」を表示して販売することが可能になります。
有機JAS規格には、4つのカテゴリがあり、規格はそれぞれの「日本農林規格等に関する法律(JAS法)」に定められています。ここからは4つの規格の概要を1つずつご紹介します。
有機農産物の日本農林規格とは
1つ目の規格が、有機農産物(野菜やキノコ類など)の生産方法の基準を定めたものです。
ポイントは先ほどもお伝えした、以下の3つです。
- 化学的に合成された肥料・農薬の使用禁止
- 遺伝子組み換え技術の利用の禁止
- 自然環境への負荷をできる限り低減した生産方法
これらのことを通し、生態系の維持に支障を生じない方法で農業を行うことが求められています。
有機加工食品の日本農林規格とは
2つ目の規格が有機加工食品について。生産方法の基準についての概要は、以下通りです。
- 原料になる有機農産物と有機畜産物の特性を保持しながら
- 物理的、または生物の機能を利用した加工方法で
- 科学的に合成された添加物や薬剤の使用を基本的に避けて生産する
また規格には、使用してもよい安全性が担保された添加物についてや、包装・保管の方法など、加工食品の安全性について多岐にわたり記載されています。
有機畜産物の日本農林規格とは
3つ目の規格が有機畜産物についてです。畜産物とは牛・馬・めん羊・山羊・豚の「家畜」と、鶏・うずら・だちょう・あひる・かもの「家(か)きん」を指します。
規格では基本的に
- 環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を与え
- 基本的に動物用医薬品の使用を避け
- 動物の生理学的・行動学的欲求に配慮して飼養する
ことを有機畜産物に対して求めていて、このほかにも、飼育環境(畜舎・家きん舎)についてや、繁殖についての記載もあります。
有機飼料の日本農林規格とは
4つ目の規格が有機飼料についてで、畜産物のエサを有機栽培で育てる際の基準について定めています。
具体的には以下の通りです。
- 原料になる有機農産物、有機加工食品、有機畜産物の特性を保持しながら
- 物理的、または生物の機能を利用した加工方法で
- 科学的に合成された飼料添加物や薬剤を基本的に避けて生産する
有機畜産物はこの有機飼料を主なエサとして育てられます。
オーガニック食品・商品が買えるネットショップを紹介!
近年では、大型スーパーなどでもオーガニック食品を目にする機会が増えてきましたが、利用できる種類が限られているケースも少なくありません。
ここからは豊富なオーガニック食品・商品を購入できる、ネットショップをご紹介します。
オーガニックショップ アンダンテ
快適で便利な生活を送りながら、地球環境にも優しい商品を提供している「オーガニックショップアンダンテ」。「使うことで環境の負荷を減らすことのできる商品を皆様に紹介」することをモットーに、商品展開を進めています。
商品それぞれに詳しい紹介が記載されていて、見ているとすべて試してみたくなりますよ。ショップには食品だけでなく、快適に、そして安心して使えるスキンケア・UVケア商品、掃除や洗濯用の洗剤、雑貨など、幅広く利用することができます。
ナチュラルハウス
多くの国産オーガニック食品を扱う「ナチュラルハウス」。「自然の恵みを無理なく生かして食を育む」「地産地消で身近な地域を支える」「資源や環境を守る」という3つをコンセプトに、オーガニックライフスタイルを提案しています。
ショップでは日常的に利用する食品はもちろん、健康食品やアレルギー対応食品、またヘア・スキンケア商品など、生活に根差した様々な商品が揃っていますよ。
また、ナチュラルハウスは首都圏と関西圏を中心に実店舗も展開しています。実際に商品を手に取ってみたいという人には、そちらもおすすめです。
HP:ナチュラルハウス
ビオ・マーケット|ビオマルシェ
生物の多様性と豊かな自然環境、そして伝統な食文化を尊重し、有機農業の理念に基づいた商品を取り扱っている「ビオ・マルシェ」。そのビオ・マルシェが展開するネットショッピングが、「ビオ・マーケット」です。
食品は、生産者がわかる国産の農産物や畜産物をはじめ、加工食品、牛乳などの生鮮食品、飲料など様々です。基本的には有機JAS規格に基づいたもので、海外のオーガニック認証を取得した商品も広く取り扱っています。
サイト内には、ビオ・マーケットの食材を使用したオーガニックレシピが掲載されています。旬のレシピもたくさんあり、毎日の食卓をオーガニック食品で楽しむことができますね。
HP:ビオ・マーケット
ビオフロレスタ
1989年に日本で初めて有機認定を取得した「むそう商事」。オーガニック食品の普及に力を入れ続けるむそう商事が運営するネットショップが「ビオフロレスタ」です。
ビオフロレスタでは、冷凍食品やレトルト食品など、保存が効いて手軽に使える食品を数多くそろえています。また加工食品や調味料なども豊富に用意されているので、まとめ買いをするのもよいですね。リラックスタイムにピッタリな飲み物や、スイーツなども販売していますよ。
ビオフロレスタの「レシピ館」のページには、主食・パスタ・スイーツなど、ジャンル別にレシピが多数掲載されています。レシピは食材から探すこともできますよ。オーガニック生活を上手に続ける手助けになりそうですね。
HP:ビオフロレスタ
有機栽培の安全性は法律と農家さんに支えられている
日本には有機栽培についての法律と規格があり、有機JAS規格には「農産物」「加工食品」「畜産物」「飼料」の4つの規格があります。日本の有機栽培の安全性は、こうした法律や規格、そして、それに基づいて作物を育てる農家さんたちに支えられています。
日本で有機栽培食品・商品を購入したいと思ったら、有機JAS規格に認められたことを証明する「有機JASマーク」が貼ってあるものを選んでくださいね。
有機栽培食品・商品を購入するなら、品ぞろえが豊富なネットショップがおすすめです。今回ご紹介したネットショップに興味を持ったら、ぜひ試してみてくださいね。
参考:
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
有機農業・有機農産物とは(農林水産省)
有機農産物の日本農林規格(農林水産省)
有機加工食品の日本農林規格(農林水産省)
有機畜産物の日本農林規格(農林水産省)
有機飼料の日本農林規格(農林水産省)