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出来立て搾りたてのワイン

オーガニックのワインとは? ビオワインや自然派ワインとはどこが違うの?

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2021.06.22

健康のため、オーガニック食品を利用する人が増えてきました。最近では日常的な食品だけでなく、ワインのような嗜好品も目にするようになりましたね。

オーガニックワインの原料は、有機栽培で自然の恵みを受けて育ったブドウです。今回はこのオーガニックワインに注目し、オーガニックワインとはどういったものか、またビオワインや自然派ワインとの違いについて解説します。

さらに後半では、気軽に飲める美味しいおすすめのオーガニックワインをご紹介します。赤も白も、オーガニックワインならではの味わいが堪能できますよ。

オーガニックのワインとは? ほかのワインとはどこが違うの?

綺麗に植えられ栽培されているブドウオーガニックのワインといえば、健康志向のワイン、というイメージを持つ人もいるかもしれませんね。ただ、オーガニックワインには明確な規定がなく、製造方法は認証機関によって若干の違いがあることも少なくありません。

ここではまず「オーガニック」について解説したうえで、「オーガニックワイン」についてや、ほかのワインとの違いをご紹介します。

オーガニック(有機栽培)とは|化学肥料や農薬を使用しない栽培方法

オーガニックとは、化学肥料や農薬を使用せず、太陽や大地などの自然の恵みを生かした栽培方法や加工方法のことです。日本語では「有機の」という意味を持ち、一般的には有機農産物や有機加工食品などがオーガニックと呼ばれます。

有機栽培の目的は、食品の安全性を高める事だけではありません。化学肥料などを用いないことから、自然環境にも優しい農業として注目されています。

日本の認定規格|有機JAS認証

日本で、オーガニックや有機栽培の農産物・加工食品を販売するには、農林水産省が認める「有機JAS認定」を取得しなければなりません。取得できるのは、「農薬や化学肥料を使用しない」「遺伝子組み換え技術を利用しない」などの厳しい審査をクリアした事業者のみです。

有機JAS認証をうけると、商品のラベルに有機JASマークを貼ることが許されます。有機JASマークを貼った商品にのみ、日本では「オーガニック」「有機」と記載できるのです。

では、日本で販売されているオーガニックワインも、有機JAS認定を受けているのでしょうか。実はオーガニックワインは酒類なので、管轄が農林水産省ではなく国税庁になります。

そのためオーガニックワインには「有機JASマーク」が適用されませんが、国税庁の定める「酒類における有機の表示基準」に認められることで、ラベルに「オーガニック」と表示できるようになります。

オーガニックワインとは|ブドウと醸造に規定あり

オーガニックワインとは、有機栽培で育てられたブドウを使って醸造されたワインです。日本では国税庁がオーガニックワインを認定しているとお伝えしましたが、実は、認証機関はヨーロッパを中心に世界中に存在します。

オーガニックと認める基準は認定機関により様々で、中には、醸造方法にも規定を設けている機関もあります。例えば、欧州連合の「ユーロリーフ」やドイツの「デメター」、世界80か国以上が参加している「エコサート」は有名です。

これらの機関では、酸化防止剤などの化学薬品や添加物をできる限り制限する規定を設けています。こうした厳しい規定を設けることで、消費者は安心してオーガニックワインを楽しむことができるのです。

ビオワインとはどこが違うの?

ビオワインの「ビオ(Bio)」とは、フランス語のビオロジック、イタリア語のビオロジコ、ドイツ語のビオロギッシなどが短縮された言葉です。いずれも「オーガニック」と同じ意味を持っています。

ヨーロッパでは、オーガニックワインもビオワインも、同じような意味で用いられますが、実は日本では違います。

日本で「オーガニック」と表示するには、国税庁から認可を受ける必要があります。一方、「ビオ」の表示には認可が必要ありません。そのため極端に言えば、日本ではオーガニックワインでなくても「ビオ」と表記することができます。

自然派ワインとはどこが違うの?

自然派ワインとは、なるべく人の手を加えずに、自然酵母による醸造法で製造するワインのことをいいます。原料になるブドウは有機栽培で育ったもので、オーガニックと比べると、醸造方法に重点が置かれています。

酵母や砂糖などを添加せず、ろ過なども行わないなど、自然な醸造法で製造されるため、濁った色味に仕上がるワインも少なくありません。酸化防止剤(亜硝酸塩)も使用しないか、ごく少量のみが許されています。

この「自然派」という言葉を用いることも、日本では認可が必要ありません。ビオワイン同様、誰でも使用することができます。

人気ワインはどれ? オーガニックワインのおすすめ商品を紹介

ワイングラスに注がれた赤ワインオーガニックワインは安全なだけでなく、ブドウ本来の味わいや風味を堪能できる美味しいワインです。

ここからは気軽に楽しめる、人気のオーガニックワインをご紹介します。ネットショップでも購入できるものばかりなので、気に入ったワインがあればぜひ試してくださいね。

レ・グランザルブル (フランス)|ルージュ オーガニック

「エコサート」が認証する赤ワイン。南フランスの豊かな地で、化学肥料や薬剤を使わず、環境に配慮して栽培されたブドウを原料にしています。

完熟したブドウの果実味と、しっかりとしたタンニンが特徴で、それぞれが相まった丸みのある味わいが楽しめます。また、香りはラズベリーやカシス、ブラックベリーのようなフレッシュさが特徴で、フルーティーな印象を与えてくれます。

株式会社アルプス(日本)|契約農場の有機ワイン

日本の株式会社アルプスが、米国の有機契約農場で栽培したブドウを原料にして醸造した赤ワイン。有機契約農場はワシントン州にあるグロー農園で、コンコードブドウを100%使用したフルーティーな味わいが特徴です。

やや甘口な赤ワインは飲み口がまろやかで、デザートワインとしても楽しむことができます。醸造過程では酸化防止剤を使用していないので、その点でも安心していただけますね。

パスクア (イタリア)|オーガニック ネーロ・ダヴォラ・シラーズ シチリア

シチリアの西部、トラパニ県の有機ブドウを主原料にした、フルボディの赤ワイン。ブラックベリーやプラムの香りが印象的です。

フルボディといっても、渋みが弱めで後味がすっきりしています。軽快で飲みやすい口当たりで、渋さや重さを感じず、マイルドな印象です。牛タンやビーフシチューによく合いますよ。

マルケス・デ・リスカル(スペイン)|オーガニック ビアンコ

マルケス・デ・リスカルは、スペイン王室御用達の由緒あるワイナリー。ご紹介するのは、厳選した畑で栽培した有機ブドウを使用し、ステンレスタンクで発酵・低温熟成を行った白ワインです。

スパイスの一種、アニスやフェンネルをイメージする香りをもち、口に含むと優しくさわやかな味わいが広がります。さわやかでフルーティーな味が好みの人に、おすすめしたいワインです。

レ・グランザルブル(フランス)|ブラン オーガニック

3品種のブドウをブレンドして作られた白ワイン。ブドウはそれぞれ、南フランスの豊かな土地で、地中海の恵みを受けて育ちました。

シトラスやパッションフルーツの香りとともに、飲むとレモンのような酸味とリンゴのような甘味を感じることができます。さわやかで、それでいて余韻のある後味も楽しめますよ。

サンタ・ヘレナ・アルパカ(チリ)|オーガニック・ホワイト

「サンタ・ヘレナ・アルパカ」は、日本の輸入スティルワイン(白・赤・ロゼ)市場で、売上金額がNo1の人気ワインです。ご紹介するワインはそのアルパカが、チリの豊かな自然の中、有機栽培で育てたブドウを原料に製造した白ワインです。

ブドウは熟したものを一つ一つ丁寧に手摘みします。こうした丁寧な作業や工程を経て、美味しいワインが出来上がります。シトラスやグレープフルーツの香りに癒されながら、活力に満ちた酸味と豊かな果実味が楽しめますよ。

お気に入りのワインを見つけて楽しもう!

光り輝くブドウ有機栽培で育ったブドウを原料にして製造する、オーガニックワイン。世界にはヨーロッパを中心に厳格な認証機関があり、機関によっては製造過程で使用する酸化防止剤などにも規定が設けられています。

オーガニックワインの原料・ブドウは、有機栽培で、有機栽培の特徴の一つが人にも自然にも優しいことです。こうした自然の恵みを受けて育つブドウを原料にするため、オーガニックワインでしか味わえない香や味わいがあるのかもしれません。

今回ご紹介したオーガニックワインはどれもお手頃価格で、デイリーワインとしてもおすすめです。お気に入りのワインを見つけて、家族や仲間との楽しい食事に花を咲かせてくださいね。

参考:
オーガニック、有機の意味、無農薬との違い、有機農法、有機肥料(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~(農林水産省)
有機農業・有機農産物とは(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
健康ワインの定義(日本健康ワイン&フーズ協会)
酒類における有機の表示基準を定める件(国税庁)

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