料理やお菓子作りに欠かせない砂糖ですが、健康に気を遣う方の中には、普通の白い砂糖のかわりに「てんさい糖」を使っている方も少なくありません。そんなてんさい糖にも、オーガニックのものがあるのをご存知でしょうか?
今回は、オーガニックのてんさい糖についてご紹介していこうと思います。
そもそもてんさい糖とは何なのかや、普通のてんさい糖とオーガニックのてんさい糖の違いなどについて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
オーガニックのてんさい糖とは? 普通のものとどこが違うの?
オーガニックのてんさい糖とは、普通に販売されているてんさい糖と何が違うのでしょうか?まずは、オーガニックのてんさい糖について見ていきましょう。
そもそもてんさい糖とは?|原材料は甜菜(砂糖大根)
普通に販売されている砂糖の原料は、「さとうきび」の他にもの他にも「てんさい」があります。てんさいとは、ほうれん草と同じヒユ科の植物で、大根のような見た目をしています。
普通の白い砂糖は、まずさとうきびやてんさいから抽出した糖分から不純物を取り除き、遠心分離機で液体と結晶に分けられています。
この結晶をだけを取り出して作られた「精製糖」が、普通に販売されている上白糖やグラニュー糖などの、白い砂糖です。漂白しているわけではなく、不純物が取り除かれているため真っ白な砂糖が出来上がるのです。
一方、てんさい糖は、てんさいから抽出して液体と結晶にわけられた糖分のうち、液体の部分を使います。煮詰めた液体(糖液)を乾燥させて固め、砕いて作られたものが「てんさい糖」。
ミネラルなどの不純物を取り除いていないため、天然の色がそのままついた茶色い砂糖になるわけです。
オーガニックの砂糖については、こちらをご覧ください。
てんさい糖にはどんな栄養が含まれているの?
てんさい糖は、普通の砂糖と比べると、さまざまなミネラルが含まれています。普通の砂糖は、可食部100gのうち99%以上が糖分である炭水化物で、あとは水分でできています。
てんさい糖はと言うと、普通の砂糖と比べるとカリウムやマグネシウム、リンなどの天然のミネラルが豊富に含まれています。
また、てんさい糖には、天然のオリゴ糖が5%以上含まれています。オリゴ糖とは、おなかの調子を整える「ビフィズス菌」を増やしてくれる、糖質の一種。てんさい糖は、自然が生み出した体やおなかに優しい甘味料です。
オーガニックのてんさい糖|有機栽培されたてんさいから作られている
普通の砂糖とてんさい糖の違いはわかりましたが、それではオーガニックのてんさい糖とは、いったいどういう物なのでしょうか?
普通のてんさい糖とオーガニックのてんさい糖の大きな違いは、原材料の栽培方法です。
オーガニックは日本語で「有機の」という意味があり、そこから転じて、有機栽培された植物や、それを使って作られた商品を「オーガニック」と呼ぶようになりました。
有機栽培には、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない」「遺伝子組み換え技術を利用しない」など、いくつかの定義があります。
また、原材料の栽培だけでなく、加工の過程でも、できるだけ化学的な方法や物質の添加を使用しないことも、オーガニック商品の条件の一つです。
つまり、化学的に合成された成分を使用せず、自然が持つ力を活かして栽培したてんさいを使って作られたてんさい糖が、オーガニックのてんさい糖です。
有機認証検査をクリアして販売されている|有機JAS
日本には、農産物・加工食品・飼料・畜産物の食品に関する4種類に、「有機JAS」というオーガニックの規格が存在します。
規格に適合した生産方法がされているかどうかを登録認証期間が審査し、基準をクリアすると有機JASマークを貼ることができます。有機JASマークが貼られていない商品は、「有機」や「オーガニック」といった表示を使うことができません。
つまり、有機JASマークは定められた厳しい基準をクリアしオーガニックと認められた証なので、貼られている商品を安心して購入することができます。
オーガニックのてんさい糖のメリット・デメリットを紹介
オーガニックのてんさい糖は、普通のてんさい糖と比べるとどのようなメリットがあるのでしょうか?デメリットと併せて見ていきましょう。
メリット|安全性が高めなので安心して使える
前述した通り、オーガニックのてんさい糖は、審査を受けて定められた厳しい認証基準をクリアしています。
原料の栽培時や商品への加工の段階で、できるだけ化学的な物質の使用を避けて、自然の持つ力をそのまま活かして作られた商品です。
そのため、農薬や肥料などの化学物質の残留が少なく、比較的安心して口にすることができると言えるでしょう。オーガニックのてんさい糖を料理やお菓子作りに使用することは、人体への安全面で大きなメリットがあります。
デメリット|流通数が少なく価格が高め
オーガニックのてんさい糖は安全性が高いですが、価格が高くなりがちというデメリットが存在します。化学肥料や農薬を使わないということは、害虫や雑草、病気などから農作物を守るために、大きな手間がかかってしまいます。
加工にもこだわり丁寧に作られているため、普通のてんさい糖よりも流通数そのものが少なくなってしまい、価格が高くなってしまうのです。
ムソー|有機てんさい糖
日本国内で手軽に購入できる、オーガニックのてんさい糖をご紹介します。
有機農産物の最優先使用を理念とし、さまざまなオーガニック食品やマクロビオティック食品を販売している、「ムソーオーガニック」。
ムソーの「有機てんさい糖」は、てん菜の栽培に適した気候や土壌のリトアニアで有機栽培されているてん菜を使用した、オーガニックてんさい糖です。
後味のすっきりとした優しい甘みは、素材の風味を活かした料理やお菓子作りに最適。溶けやすいため、コーヒーや紅茶にもお使いいただけます。
ムソー|有機てんさい糖
てんさい糖のおすすめの使い方を紹介!
てんさい糖は、普通の砂糖のように使用して良いのでしょうか?てんさい糖のおすすめの使い方について見ていきましょう。
料理に使う|コクやテリがUP
煮物や照り焼きなど、砂糖を使う料理をてんさい糖に変えてみるのはいかがでしょうか?
てんさい糖のまろやかな甘さは、肉や魚、野菜などの素材の味を活かしつつ風味やコクを与え、上品な甘さに仕上げてくれます。また、砂糖の違いは見た目にも現れ、美しいテリを出してくれます。
お菓子に使う|きれいな焼き色に
てんさい糖は、お菓子作りにも使えます。普通の砂糖と比べると、焼き色が付きやすいのが特徴です。クッキーやマドレーヌ、パウンドケーキなど、キレイな焼き色をつけたいお菓子を作る時は、てんさい糖の使用をおすすめします。
一般的にお菓子作りに使われるグラニュー糖などより、粒がやや粗いため、よく混ぜてしっかり溶かして使用しましょう。
コーヒーや紅茶に入れる|手軽にオリゴ糖補給
てんさい糖は、紅茶やコーヒーに使用してもおいしくいただけます。てんさい糖の持つ風味がコーヒーや紅茶にまろやかな甘さとコクを与え、深みを増してくれます。
また、飲み物を飲む時の砂糖をてんさい糖に変えることで、手軽にオリゴ糖を補給できるのも嬉しいポイントです。
オーガニックのてんさい糖を料理やお菓子作りに取り入れてみよう!
オーガニックのてんさい糖は、農薬や化学肥料の使用をできるだけ抑え、厳しい審査をクリアした商品。健康志向の方だけでなく、小さなお子さんでも比較的安心して口にすることのできるてんさい糖です。
普段の料理やお菓子作りに使っている砂糖を、オーガニックのてんさい糖に変えてみるのはいかがでしょうか?いつもの料理に、コクや風味を与え、一味違った食卓を楽しめるでしょう。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ一度使ってみてください。
参考:
一般成分-無機質-ビタミン類-アミノ酸-脂肪酸-炭水化物-有機酸等(文部科学省)
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)