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流れ出た玄米

玄米にもデメリットはある? 知っておきたい玄米のメリット・デメリット

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2022.01.07

玄米はダイエットで炭水化物を摂るなら、白米よりおすすめと言われるほど人気な食材です。モデルや芸能人も取り入れる人が多い食材なので、健康に良さそうなイメージを抱いている人も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなヘルシーかつ栄養価の高い玄米を解説していきます。

玄米の選び方とおすすめの玄米についても解説していますので、ぜひ最後までご覧になってくださいね。

玄米にもデメリットはある? 玄米のメリット・デメリットとは

様々な玄米
健康食材である玄米ですが、実はメリットの他にもデメリットも存在する食材です。せっかく取り入れるのなら、玄米のメリットを活かしつつ、デメリットを補える方法を知りたいですよね。

以下では、そんな玄米のメリットやデメリット、メリットをより効率的に引き出せる方法を紹介します

まずは玄米についておさらいしよう!

玄米とはもみ殻だけを剥いた米、精白前の白米を指します。白米と違って米の種子を保護する膜が取り除かれておらず、栄養価の高い成分が多く含まれているので、健康志向の人の食事によく取り入れられています。

玄米はこれまで、白米よりも食感が劣っていて美味しくないと感じる人が多い食材でした。しかし、最近ではお粥にしたり圧力釜を使って料理したりすると、ぷちぷちとした食感と豊かな風味が楽しめ、白米では味わえない美味しさがあると評判になっています。

玄米のメリットとは?

それでは玄米のメリットとは、一体どのようなものなのでしょうか。同じ米でも白米とは何が違うのか、メリットと併せて解説します。

栄養価に優れている|白米に比べてどれくらい豊富なの?

玄米は白米にはない精白される前の殻やヌカがあるので、その分白米よりも栄養価が高いです。同じ量で比べてみても、食物繊維が約5倍、マグネシウムは約7倍と驚きの含有量です。また、玄米は白米と比べて炭水化物の量が少ないのも特徴です。

玄米を食事に取り入れるだけで、一日に必要なビタミンやミネラルなどの栄養素が摂取できるのは、玄米の最大の魅力といえます。若返りのビタミンとも呼ばれる強い抗酸化作用をもつビタミンEや、新陳代謝を高めるビタミンB群など、意識して摂ろうとしてもなかなか摂ることが難しい栄養素を一度に摂取できるので、健康的な生活をしたい人にはぜひ取り入れていただきたい食材です。

白米に比べて味が落ちにくい|おすすめの保存法

玄米は米を保護する殻やヌカがあるので、水分が失われにくいです。また、白米よりも空気に触れないので酸化しにくく、風味が保たれやすくなっています。

白米は精白されているので米自体を保護するものがありません。酸化しやすく新鮮な状態が長くないのは尚のこと、賞味期限は精米されてから2週間と短いです。

しかし、玄米の賞味期限は1年と長く、籾摺り(もみすり)後の新鮮な状態も、白米より長くなっています。前年に収穫した米でも、玄米の状態で保存すれば美味しく新鮮な状態で食べられるのです。

長く美味しさを保つには、直射日光の当たらない、暗くて涼しい風通しの良い場所で保存するのがベストです。玄米に限らず、米は暑い場合は酸化しやすくなり、寒すぎると霜が降りたり湿気ったりして、痛むのが早くなってしまいます。

玄米の酸化を防ぐには、圧縮袋などの真空袋に入れて保管する方法がおすすめです。玄米が空気に触れないので、通常の保存方法よりも格段に酸化のスピードが遅くなります。

玄米のデメリットとは?

玄米のメリットを紹介したところで、デメリットについても解説していきます。玄米は栄養価が高い健康食材ですが、一方では消化しにくく、またミネラル不足になりやすいとも言われています。

以下ではそんなデメリットや悪いイメージに関する真相を解明するので、ぜひご覧になってください。

良くない|よく噛んで食べればOK!

玄米は白米に比べて、たしかに消化が悪いです。便秘や下痢を誘発しやすく、食べるとお腹の調子が悪くなるからという理由で避ける人も少なくありません。食物繊維を多く含んでいますが、便秘や下痢にもなりやすいのです。

玄米の消化が悪いのは、精製されていない殻が関係しています。殻は硬く、よく噛まないで食べると消化器官に負担がかかり、消化不良を起こす原因となってしまうのです。

そんな玄米の消化不良を防ぐには、よく噛んで食べることが大切です。噛む回数は最低でも一口に30回、100回です。

なお、消化に不安のある子どもや高齢者は、玄米を避ける、もしくはお粥にして殻を柔らかくしてから食べるなど、食トラブルを防ぐ工夫をしましょう。

浸水時間が長い|白米に比べて調理に時間がかかる

玄米は白米と違い、炊くまでの下ごしらえに時間がかかります。白米の場合は長時間の浸水は不要で、数回研いで炊くだけでよいのですが、玄米は研いだ後に、炊く玄米の量の約1.5倍の水に6~7時間浸ける手間が必要なのです。

玄米はこの数時間浸水させる工程がないと、殻が柔らかくならず固いまま炊けてしまいます。

浸水が完了するまで待つのが嫌な人は、炊く前夜から水に浸けておくことをおすすめします。また白米に玄米を少量混ぜて、浸水時間を短くする方法もアリです。

玄米はミネラル不足になるってホント?

栄養価の高い、ミネラルを多く含む玄米ですが、食べるとミネラル不足になってしまうと噂されています。なぜそのように言われているのかというと、玄米の成分の中にミネラルを排出する作用のあるフィチン酸が含まれているからです。

しかし、心配し過ぎる必要はありません。

なぜなら、玄米に含まれるフィチン酸の量は極めて少なく、フィチン酸自体は既にヌカ中にあるミネラルと結合している状態であるため、ミネラルが排出されるとは考えにくいからです。

もしミネラルと結合していないフィチン酸があったとして結合してしまったとしても、ミネラル不足に陥るような量ではないので、安心してよいでしょう。

フィチン酸の作用が強く出るのは生の状態の場合で、火を通せば特に問題はないとも言われているので、過度に心配しなくても大丈夫ですよ。

玄米を選ぶときのポイントをチェックしよう!

玄米の魅力が分かったものの、いざ食べてみようと思っても、自分に合う玄米の選び方が分からない人も多いはず。そこでこの項目では、玄米を選ぶ際におさえておくべきポイントを6つ解説します。

すべてのポイントをクリアしている玄米をみつけるのは難しいと思うので、特に重視したいポイントを、ご自身の好みやライフスタイルをもとにピックアップしてみるとよいでしょう。

1. 栽培方法

玄米は、精製された白米とは違って表面の膜が取り除かれていないため、農薬の影響が白米よりも残りやすいです。そのため、農薬による影響を気にせず安心して食べたいという人には、農薬の使用量を減らした「減農薬栽培」によって作られた玄米をおすすめします。

合鴨に害虫を食べてもらう「合鴨農法」や、AIやドローンを使い農薬の使用量をできるだけ抑えて栽培する「スマート農業」など、様々な栽培方法があります。

2. 製造方法

無洗米タイプ|米研ぎ不要で時短になる

玄米にも、白米と同様に米研ぎの必要がない「無洗米」があります。少しでも時短をしたい、水仕事による手荒れを避けたいなど、米研ぎに時間を割くのが惜しいという人には無洗米タイプがぴったりでしょう。

白米と同じように炊けるタイプ|調理が楽でさらに時短に

時短をしたい人にもう1つおすすめなのが、「白米と同じように炊けるタイプ」です。玄米は白米よりも水に浸す時間が長く、炊飯器で白米と同じように炊くと硬くボソボソとした仕上がりになってしまうなど、調理が難しく時間がかかるのが難点でした。

しかし、白米と同じ浸水時間で、かつ白米と同じように炊けるタイプの玄米なら、うっかり下準備を忘れてしまっても炊けるまでに長い時間待つ必要はありません。忙しい人にはぜひ手に取ってみてほしいものです。

自然乾燥タイプ|米本来の旨味が楽しめる

米の多くは乾燥機で乾燥させていますが、時間をかけて自然乾燥させているものもあります。自然乾燥の良いところは、味や食感が損なわれにくく、旨味がぎゅっと閉じ込められた米になることです。

しっとりふっくらとした食感が楽しめるので、玄米選びのチェックポイントに加えることをおすすめします。

3. 産地・生産者

玄米に限らず、米は同じ品種でも育てられた環境によって甘みや粘りなどが大きく変わります。例えば同じコシヒカリでも、東日本で栽培されているものは柔らかく粘りがあり、西日本で栽培されているものは歯ごたえがあり粘りが弱いといわれているので、産地別に購入して食べ比べてみるのも楽しいでしょう。

また、安全なものであるか判断する基準として、生産者がどのような人であるかが挙げられます。気になる玄米がみつかったら、購入する前にぜひ公式サイトや通販サイトの生産者情報をチェックしてみてください。

どのような想いでどのような栽培をしているのか分かれば、安心して口にできるだけでなく生産者の手間や苦労を知ることができ、ありがたみを感じながらより美味しく食べることができるでしょう。

4. ブランド・品種

玄米を選ぶ際に迷ったら、もしくは初めて食べるのなら、普段白米で食べているブランドの玄米を選んでみましょう。「あきたこまち」や「コシヒカリ」などの有名なブランド米から選ぶのも、安心感があってよいでしょう。

玄米のなかには、北海道産「ゆきむつみ」のような玄米食専用に開発されたブランド米もあるので、定番ブランド米と食べ比べてみてはいかがでしょうか。

また、毎日の食事に玄米を取り入れる際に、味と食感は重要なポイントではないでしょうか。美味しくなければ主食にし続けることは難しいので、いくつか食べ比べて好みのものを探してみましょう。

玄米の硬さが苦手な人には、前述した「自然乾燥タイプ」や、柔らかく炊き上がる特徴をもつ品種「ミルキークイーン」「ゆめぴりか」がおすすめです。

5. 栄養価

玄米は白米に比べて栄養価に優れていると説明しましたが、さらに高い栄養価を求めるなら、「発芽玄米」がおすすめです。発芽により栄養分が高まるため、通常の玄米よりも、より食物繊維やGABAを摂取することができます。

また、「雑穀入り玄米」もおすすめです。玄米のみよりもビタミンやミネラルなどが増え、不足しがちな様々な栄養素を一食で摂ることができます。雑穀の食感が楽しめてボリュームも増すので、ダイエット中で白米を避けている人は取り入れてみてはいかがでしょうか。

6. 価格

安全性や味も大切ですが、玄米食を続けるうえで、価格も重要なポイントです。玄米の方が精米された白米よりも価格が高い傾向にあり、白米が1kgあたり400~500円ほどなのに対し、玄米は1kgあたり600~1,000円ほどと、約2倍かかるものもあります。

玄米はもみ殻や小石などの異物を取り除く手間がかかるのと、白米より需要が少ないことから、価格がどうしても高くなってしまうのです。

日々の主食として取り入れたくても、家計の負担になってはいけません。気になる玄米の価格が食べる頻度や食べる人数に見合うか考えてみましょう。

一人暮らしの人や頻繁に食べない人であれば少量のものやレトルトパックのもの、家族みんなで食べるのであれば、30kg入りなど大容量のものを購入するのがおすすめです。

毎日食べたい!おすすめ玄米10選を紹介

ここからは、おすすめの玄米を10品紹介します。日本人好みに開発されたものや調理が楽な無洗米タイプ、生産者こだわりの栽培方法で育てられたものなど、様々な玄米を紹介しますので、ぜひ購入の際に役立ててくださいね。

今議商店|新潟産ミルキークイーン 玄米(5kg)

「日本人好みの粘りのある米」として、コシヒカリに改良を加えて誕生したのがミルキークイーンです。

ミルキークイーンは、粘りの強さを左右するデンプンの含有量が少ない「低アミロース米」という米の一種です。しっかりとした粘りがあってもちもちとしており、冷めても硬くなりにくいのが特徴で、お弁当やおにぎりにも適しています。

ホクレン|玄米 ゆめぴりか 北海道産(3kg)

北海道産ゆめぴりかは程よい粘りと豊かな甘みが特徴で、米の香りや味などを評価する食味官能試験では、札幌と首都圏の両方で幅広い年齢層に評価されました。

「いやな臭みがない」「弾力があって食感が良い」という声が多いため、初めて玄米を食べる人でも挑戦しやすいでしょう。

大潟村あきたこまち生産者協会|大潟村あきたこまち 早炊き玄米 無洗米(1kg)

精米時に出る米ヌカを発酵させて作った肥料を使用して栽培され、化学肥料の使用量も秋田県が定める基準以下であると認定された玄米です。

無洗米なので米研ぎが不要なうえに、白米と同様30分~1時間ほど水に浸したのちに炊飯器でいつも通りに炊けばよいので、通常の玄米よりも圧倒的に下ごしらえが楽です。

鉄分が添加されている栄養機能食品なので、貧血に悩む人は取り入れてみてはいかがでしょうか。

東洋ライス|金芽ロウカット玄米 長野県産コシヒカリ 無洗米(2kg)

金芽ロウカット玄米は、表面の固いロウ層という部分を取り除くことで、硬くて食べにくい、消化が悪いといった玄米のデメリットを払拭しています。さらに、白米と比べてなんと糖質は約32%オフ、カロリーは約30%オフという、ダイエット中の人にとって嬉しい魅力が詰まった玄米です。

無洗米仕上げで研ぐ必要がなく、ロウ層が無いおかげで吸水性が良くなっているので、短時間の浸け置きといつもの設定で炊飯が可能です。

スマートアグリフード|スマート米 黒石 青森県産 まっしぐら 無洗米玄米(1.8kg)

「スマート米」とは、AIやドローンを使い農薬の使用量を最小限に抑えて栽培された米のことで、残留農薬不検出(残留農薬検査において、残留農薬の測定値が検出可能な限界値を下回っていること)と証明されています。

いくつかの品種があるスマート米のなかでも、「まっしぐら」は粘りが少なくさっぱりとした味わいが特徴です。適度な弾力もあるので、粘りが強く柔らかい玄米とはまた違った美味しさが楽しめます。

百笑倶楽部|ヒノヒカリ 夫婦米 玄米 福岡県産(2kg)

福岡県久留米市で生まれた夫婦米は、農薬や除草剤を使用せずにジャンボタニシを利用した自然循環型農法で育てられています。ジャンボタニシに除草をしてもらいながら人の手でも除草や虫捕りを行っているという、手間と愛情がたっぷり込められた玄米です。

Happy Belly|玄米 北海道産 ななつぼし 農薬節減米(5kg)

「農薬節減米」とは、化学合成農薬の使用回数を50%以下に削減して栽培された米のことです。

北海道生まれの品種である「ななつぼし」は、粘りと甘みのバランスが良く、冷めても美味しく食べられます。1kgあたり500円ほどと玄米のなかでは比較的お手頃な価格なので、手に取りやすいのではないでしょうか。

全農パールライス|金のいぶき 玄米 宮城県産(1.8kg)

「金のいぶき」は2002年に宮城県で誕生した品種で、芽を出す部分である胚芽の大きさが通常の約3倍という特徴があります。胚芽にはGABAや、老化を防止してくれるといわれるビタミンEなどの栄養素が凝縮されており、通常の玄米よりもこれらの栄養素を多く摂取することができます。

ミルキークイーンと同じ低アミロース米なので粘りがあり、ふっくらもちもちとした食感で食べやすいところも高評価ポイントです。

FANCL|発芽玄米(1kg)

化粧品や健康食品などを展開するFANCLが販売している発芽玄米です。独自の製法でゆっくりと発芽させており、GABAや食物繊維、ビタミンE、体調を整えるマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。

さらに、血管の老化や血中コレステロールにアプローチする「PSG」も含まれており、内臓脂肪の減少効果が期待できます。

アジテック ファインフーズ|レトルトご飯 発芽玄米ごはん(160g×36食入り)

電子レンジで加熱するタイプのパックごはんで、通常の玄米より栄養価の高い発芽玄米を食べたいときに手軽に食べられます。玄米を頻繁に食べない人や時間がなく忙しい人にもおすすめで、一食あたり約110円とコストパフォーマンスが高いのも魅力です。

栄養盛りだくさん!おすすめの雑穀入り玄米2選

最後に2品、雑穀入り玄米を紹介します。玄米の栄養素と併せてさらに多くの栄養素を摂取することができるうえに、雑穀でかさが増えて食べ応えも増すので、ダイエット中の食事に取り入れても罪悪感なく食べられるでしょう。

オクモト|美人玄米(1kg)

秋田県産あきたこまちの玄米に黒米と大豆がブレンドされており、独自の技術を施して吸水性をアップさせているので、柔らかく食べやすいです。

黒米にはアントシアニンが含まれており、消臭効果もあるため、玄米の独特なにおいを感じにくいのが特徴です。大豆からは女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを摂取できるので、健康面・美容面においてもサポートしてくれる玄米ごはんです。

自然の館|未来雑穀21(460g)

抗酸化作用のあるアントシアニンを含む黒米や、亜鉛・マグネシウムが豊富な緑米、皮膚の健康維持を助けるビタミンB1を含むもち粟など、21種類以上もの雑穀がこれでもかというほどブレンドされています。

白米の約30倍のβ-グルカン(水溶性食物繊維)を含有している「ダイシモチ」は便通改善効果が期待でき、米粒状のこんにゃく加工食品「マンナン」のおかげで冷めても硬くならず、炊いてから時間が経っても、もちもちとした食感が楽しめます。

玄米と白米を上手に使い分けて美味しく食事に取り入れよう!

色とりどりの一汁三菜

玄米は栄養価が高く、健康に良いたくさんのメリットがあることが分かりましたね。いきなり玄米のみを食べるのが厳しい人は、まずは白米と玄米を混ぜて食べることから始めてみるとよいでしょう。

玄米には3つのデメリットがありますが、よく噛む、しっかり6時間ほど浸水させる、寝ている内に水に浸けておくなどをすれば、ほとんどの悩みは解消できます。また、ミネラル不足になりやすいという説は心配する必要がないことが分かり、ひと安心ですね。

玄米は近年、国内だけでなく海外からも注目される健康食材なので、これを機に食べてみてはいかがでしょうか。

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