日本には古くから味噌や漬物などたくさんの発酵食品が存在しています。発酵食品は健康や美容にも役立つとされ、注目している方も多いことでしょう。
今回は、数ある発酵食品のなかから「米麹(こめこうじ)」に焦点を当て、米麹の正体を解き明かすとともに、活用方法やおすすめ商品を紹介します。最後までじっくりご覧ください。
米麹とは|甘酒・塩麹・醤油麹・味噌などの調味料を作れる伝統的な発酵食品
米麹とは、米に麹菌をつけて発酵させた食品のことです。
昔ながらの手作りをしている麹店では、米を蒸し、冷まして水分を飛ばしたのち、麹菌をふるってよく混ぜ合わせ、米に麹菌を植え付けます。
その後、麹室(こうじむろ)で適切な温度管理をしながら寝かせる過程のなかで発酵が進み、麹菌がさまざまな化学反応を起こしながら増殖して米麹が完成するのです。
米麹は、塩麹や甘酒、醤油麹、味噌などの調味料を作る原料となります。さまざまな使い方ができるので、後ほど活用方法を紹介しましょう。
米麹の選び方のコツ
米麹にもさまざまな商品があります。選ぶときにチェックしたいポイントを押さえましょう。
米麹の種類で選ぶ
米麹には、大きく分けて「生麹」と「乾燥麹」の2種類があります。風味や日持ちなど、それぞれの特徴を知り、使いたいタイプを選びましょう。
生麹|麹菌たっぷりで本格的な素材
生麹とは生の状態の米麹のことで、水分を多く含んでおり、水で戻さずにそのまま使えます。麹菌によって日々発酵が進むため、冷蔵保存する必要があることと、日持ちが短めであることがデメリットです。1~3週間程度で使い切る必要があります。
しかし、麹本来の香りを感じられ、麹菌のパワーも強く、本格的な味わいの味噌や甘酒などを作ることができます。
乾燥麹|長期保存可能
乾燥麹とは、生の米麹から水分を取り除いて乾燥させたものです。使うときに、水で戻して使用します。水分がほとんど含まれないため、常温で保存することができ、数ヶ月日持ちする商品が多いです。少量タイプや小分けされている便利な商品もあります。
麹菌の活性は生麹に比べると低いですが、長期保存できるため、量が多くてなかなか使い切れない初心者でも安心でしょう。
麹の製法をチェック
米麹は、伝統の製法を受け継ぎ手作業で作っている麹店もあれば、機械でしっかりと管理しながら製造しているメーカーもあり、商品ごとにこだわりが異なります。
麹店の伝統を重んじる意識や手作りという温かさも、メーカーの機械によるしっかりとした衛生や品質管理も、それぞれに良さがあるので好みで選んでみてください。
原料にこだわったものや無添加の商品はより安心
より安全なものを取り入れたいなら、米麹の原材料にも目を向けてみましょう。
「国産米」「有機米」など、米にこだわっているものなら安心感があります。また、商品によっては保存料入りや砂糖・塩などで味を調えていることもあるので、混じり気のない米麹を選びたいなら無添加で調味料不使用の商品がおすすめです。
米麹の使い方やレシピの例
ここでは、米麹の活用方法やレシピを紹介します。ただし、商品や、生か乾燥かによって配合などが異なるのであくまでも例です。アレンジして自分なりの使い方をしても良いでしょう。
米麹で作れる簡単一品料理
米麹をそのまま使って作れる料理には、漬物や野菜味噌、麹納豆、まんじゅうなどがあります。漬物は塩や砂糖などの調味料と混ぜて大根・白菜・なすなどの野菜を漬けたり、ぬかと混ぜ合わせてぬか床にしたりと、いろいろな味で楽しめるでしょう。
野菜味噌は米麹に醤油・砂糖・唐辛子を加えてピーマンやにんじんなどの野菜と一緒に煮詰めます。ごはんのお供にしたり、野菜にディップしたりしてお楽しみください。
麹と納豆を混ぜ、塩を加えて発酵させた麹納豆や、麹やイーストと小麦粉を混ぜて発酵させた生地であんこを包んで蒸し上げるまんじゅうもおいしいですよ。
以下のページで詳しい分量や作り方をチェックしてみてください。
みやここうじのご利用法
米麹で旨味たっぷりピーマン味噌 作り方・レシピ | クラシル
米麹を使った甘酒の作り方
米麹から甘酒を作るには、米麹と水を用意しましょう。適切な温度で保温する必要があるため、魔法瓶やヨーグルトメーカー、炊飯器などを使う方法があります。
なお、加熱しすぎると麹菌が働きにくくなってしまうので、温度管理には注意が必要です。しかし、反対に温度が低すぎても発酵が進まずなかなか甘酒になりません。
詳しい作り方は以下のページをご参考ください。
甘酒の作り方|麹の池田屋醸造
簡単に作れる魔法瓶を使った甘酒の作り方 | レシピ|越前有機味噌蔵
甘酒で作れるレシピの例|砂糖の代わりに
完成した甘酒を調理に生かしてみましょう。砂糖が入っておらず天然のやさしい甘さなので、砂糖代わりに使うとヘルシーです。
肉や魚に混ぜて他の調味料と合わせ、煮込み料理や焼き料理をしたり、スープやスムージーに加えたり、スイーツの甘みづけに使ったりしてみてください。
甘酒で作れる料理のレシピは、以下のページで詳細を確認できます。
甘酒を使ったレシピ特集|レシピ・料理法|マルコメ
米麹を使った塩麹の作り方
米麹から塩麹を作るにはどうしたらいいのでしょうか。用意するのは、米麹・塩・水の3つです。よく混ぜ合わせたら保存容器に入れ、常温で発酵させながら日を置きます。
毎日様子を見て、水が減っていたら適宜足しつつしっかりかき混ぜましょう。夏なら5日~1週間程度、冬なら10日~2週間程度で完成です。
詳細な作り方は以下のページをご覧ください。
塩麹(塩糀)の作り方|麹の池田屋醸造
決定版!【塩麹の作り方】専門家が作り方・保存の疑問を解決 | ほほえみごはん-冷凍で食を豊かに-|ニチレイフーズ
味噌屋が教える美味しい塩麹(こうじ)の作り方
塩麹で作れるレシピの例|塩よりも深い味わい
できあがった塩麹の活用方法も、甘酒同様多岐にわたります。麹に含まれる酵素の働きで肉はしっとりして味わい深くなり、野菜は旨味が出てくるのも特徴です。
肉を塩麹に漬け込んで唐揚げに、魚は焼き物、野菜は漬物に、また、鍋物や炒め物などにも合うので、塩代わりにいろいろな料理に使ってみましょう。
塩麹を使用したレシピは以下のページに豊富に掲載されています。
糀屋本店|糀レシピ 塩糀
米麹のおすすめ人気メーカー商品8選
いろいろなメーカーから、さまざまな特徴の米麹が発売されています。選び方もわかったところで、人気が高くぜひおすすめしたい商品を厳選して紹介します。
伊勢惣|みやここうじ
国産の上白米を使用した、乾燥タイプの米麹。こうじ箱一枚一枚に盛って手間をかけて製造した板状のものをバラして使いやすくした商品です。パッケージの裏側には、味噌・甘酒・べったら漬などの作り方が記載されており、初めて使う方でも作りやすいでしょう。
バラされていない板状のタイプなら、200gの少量サイズや800gの商品もあります。また、バラのタイプは500gと1kgから選べるので、使うシーンなどを考慮して選んでください。
マルクラ食品|国産 有機米使用 乾燥玄米こうじ
岡山県産の有機JAS認定米のみを原料に使用した、玄米の米麹。麹菌を壊さないように温風でじっくり乾かした、乾燥タイプの商品です。
使いたい量をぬるま湯に浸けて30分~1時間程度置き、戻してから使ってください。常温でおよそ6ヶ月、冷蔵なら1年以上日持ちするので、量が多くても少しずつ使えて便利でしょう。
メーカーのマルクラ食品は、国内だけでなく、海外に向けてもオーガニック(有機)の発酵食品を販売している企業。安全で品質にも配慮した商品を取りそろえています。
同じく有機米を使用した、白米こうじも生産しているので、玄米の香りや食感が苦手な方は、白米タイプを選んでみてはいかがでしょうか。
倉繁醸造|白雪印 乾燥こうじ
国産米(ほぼ北海道産)から製造された乾燥米麹。200gと手頃な量なので、米麹の扱いに慣れていない方におすすめです。
なお、無添加の自然食品なので、長期保存したい場合は害虫の発生を防ぐために冷凍しておくと良いでしょう。にしん漬け、塩麹、漬物、甘酒などを作るのにご利用ください。
大和屋商店|米糀
昭和3年に麹の製造販売会社として創業した「大和屋商店」の生タイプの米糀。200g、300g、500g、1kgと4種類のサイズがあり、使う量に合わせて選べます。味噌、たくあん、甘酒づくりなどにどうぞ。
なお、「麹」は昔からある中国で作られた漢字、「糀」は日本でできた漢字で、米に付いたこうじのフワッとした菌糸が花のように見えることから作られたといわれているようです。
「こうじ」というと世間では「麹」の字が使われることが多いため、大和屋商店では、米糀にのみ「糀」の字を当てています。
マルコメ|プラス糀 甘酒用 国産米 米こうじ
毎日の暮らしの中に「糀」を取り入れてほしいという思いから生まれた、マルコメの「プラス糀」シリーズの米麹。バラバラにほぐれた乾燥タイプです。
保存期間が長いうえ、1回の甘酒作りに適した100gの少量で、米麹を扱ったことがない方も使い切りやすいでしょう。
甘酒の作り方は、炊飯器・鍋・ヨーグルトメーカーで作る方法それぞれが記載されていて親切です。自分で作る甘酒なら、市販のものよりさらにおいしく感じること請け合い。
日々の食卓にぜひ、マルコメの米こうじで作った手作り甘酒を取り入れてみませんか。もちろん、こうじ水や塩糀、味噌なども作れます。
おたまや|米麹 生麹
山形県にある「おたまや」は、200年近い歴史を持つ麹関連商品の専門店。伝統を受け継ぎ次世代に伝えながらも、常に新しいことに取り組んでいます。
こちらの商品は、国産の1等米を使用した生タイプの米麹です。伝統の技術と製法で作られており、パワフルな分解力を持っているので、味噌や甘酒など、甘みも旨味も強い美味しい発酵食品が仕上がります。賞味期限は冷凍で約半年と、長期保存も可能。
内容量は1kgのほか、たくさん消費する家庭向けに5kg入りもあります。
播州こうじや|手作り生米麹
テレビドラマで使用された経験を持つ、本格的な手作り生米麹。秋田県産あきたこまちの一等米を使用した、できたての米麹を冷蔵庫に入れてじっくり粗熱を取っており、活性が高い元気な状態で届けられます。
昔ながらの製法で作られた、香り高く高品質な米麹。市販の味噌や甘酒に満足できない方は、ぜひこの麹で手作りに挑戦してみてください。
糀屋本店|乾燥米糀
大分県にある創業から三百三十余年の老舗「糀屋本店」。「世界中の人をお腹の中から元気にしあわせにしたい」という思いで、伝統の室蓋(むろぶた)を使用し、9代にわたって糀室(こうじむろ)で「糀」を作り続けてきました。
乾燥米糀は、地元の大分県産米とこうじ菌で作られています。無添加無着色の昔ながらの自家製糀で、職人たちの手によって丁寧に生産された伝統の味。200gからあり、少量で様子を見たい方にもおすすめです。
米麹をもとにしてさまざまな料理を作ろう!おすすめはマルクラ、少量で始めたいならマルコメ
米麹は、いろいろな調味料が作れて料理にも役立つ便利な発酵食品であることがわかりました。
特におすすめの商品は、安全性が気になる方も安心のマルクラ「国産 有機米使用 乾燥玄米こうじ」です。玄米が苦手な方には、有機白米で作ったものもあります。また、少しだけ使ってみたい方はマルコメの商品が向いているでしょう。
あなたもこの機会にぜひ、米麹デビューしてみてください。米麹を使って料理の幅が広がり、腕前も上達すると良いですね。