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収穫直前の稲

有機栽培米とは? 普通のお米や自然栽培米とはどこが違うの?

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2021.04.20

食べ物の安全性を気にする方にとって、有機栽培米は「いいもの」という印象がありますよね。でも、実際何がどのように良いのかまではわからない人が多いのが現実です。

有機栽培のお米にはどんな特徴があるのでしょうか。有機栽培米の育て方を解説するとともに、おすすめの有機栽培米をピックアップしてご紹介します。

毎日の食卓に欠かせないお米。有機栽培の仕組みを知れば、いっそう有機栽培米を食べたくなるでしょう。

有機栽培米とは?普通のお米・自然農法のお米とはどこが違うの?

田植え直後の田んぼ有機栽培米とは、どんなふうにして育てられるお米のことなのでしょうか。一般に出回っているお米との違いは、きちんと理解できていますか?普通の米や自然農法の米と、有機栽培米がどう違うのかを詳しく知りましょう。

そもそも有機農業とは? 定義を確認しよう!

有機栽培米について説明する前に、有機農業(有機栽培)の意味を知っておくことが大切です。「有機農業の推進に関する法律(有機農業推進法)」では、有機農業は以下のように定義づけられています。

「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。」農林水産省ホームページより)

しかし、このように一文で書かれると理解しにくいので、ポイントを3つに分けて細かくお話しします。

1. 化学肥料や化学農薬を使用しない

有機農業では、ほ場(田んぼや畑)や作物に化学的な栄養を与えてはいけません。生物や天然のものを生かして生育させることが、有機栽培の基本だからです。

2.遺伝子組み換え技術を利用しない

遺伝子を組み換えると、作物がより大きく育ったり、色がより美しくなったりと部分的な改良を行うことが可能です。しかし、有機栽培ではDNA組み換え技術を使用することは禁じられています。

人工的に手を加えるというのは、自然に反するものです。そのため、有機栽培の方針にはそぐわないと考えられます。

3. 生産方法|環境への負荷をできる限り低減する

有機農業では、環境にも最大限の配慮を行う必要があります。たとえば大気汚染の可能性があるような資材を使ったり、水質汚濁の危険性があるような処置をとったりするのはNGです。

エコロジーの視点を大切にし、地球にやさしい農法で作物を育てることが重要です。

有機栽培米と認定されたお米には有機JAS認定マークの表示がある!

ここまでの話で、有機農業や有機栽培の定義や考え方がわかっていただけたでしょう。では、本題の「有機栽培米」についてお伝えします。

有機栽培米は、有機農業の方法で育てられたお米です。といっても、ただ自己流に栽培して「有機農法で育てました」と主張するだけではNG。どうすればいいかというと、指定機関に認めてもらう必要があります。

厳しい審査をクリアし、無事に「有機栽培米」と認められると、有機JASマークをつけることが許可されます(有機JAS認証)。丸が3つ横につながったような緑の形の中に、「JAS」と書いてあるマークを見たことがある人も多いことでしょう。

緑の有機JASマークは、有機栽培されたことの証なのです。お米をお店で買う際にも、有機JASマークが目印になってわかりやすいですね。

自然栽培(自然農法)のお米とはどこが違うの?

「自然農法米」「自然栽培米」という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。有機栽培米とはどう違うのでしょうか。

自然農法とは、本来は農薬や肥料をいっさい使わずに栽培することでした。しかし、年月が経ち、いくつかの流派に分かれました。その中には、一部肥料を使う流派や、一部農薬を使う流派もあります。

ですが、もともとの自然農法の教えにのっとり、肥料も農薬も使わないスタイルを貫いてきた流派があります。それが現在は「自然栽培」というふうに呼ばれているのです。つまり、「自然栽培」「自然農法」の一種であるといえます。

有機栽培では、肥料と農薬を使えないわけではなく、化学的なものでなければ使用が許可されています。なので、自然由来のたい肥などが使われている場合があります。

完全無農薬・無肥料のお米を食べたいなら、自然栽培米を選びましょう。

特別栽培米とはどこが違うの?

「特別栽培」とは、かつて「無農薬」「減農薬」と表現されていたものです。自分たちでは農薬を使っていないつもりでも、残留農薬が検出される場合があるなど、誤解を招くリスクを抑えるため、呼び方が変更されました。

特別栽培では、使っている化学肥料の窒素成分や化学農薬の使用回数が、作物を生育する地域の慣行レベルより5割以上減らせているかどうかという基準で判断されます。

つまり、特別栽培米の場合、有機栽培米とは異なり化学的な物質が少なからず使われている可能性があるということです。

おうちで購入できる! おすすめの有機栽培米を紹介!

玄米を使ったおにぎりお米の栽培方法には、さまざまな基準や呼び方があることがわかりましたね。では、ここからは有機栽培米の話に戻り、おすすめ商品を厳選して6種類ご紹介します。

あきたこまち産直農場自然工房|JAS有機栽培米あきたこまち 白米5kg

有機JAS認定のあきたこまちを真空パックしています。東北は米の名産地として名高いですが、その中の秋田県大潟村にて、有機肥料を使いながら丹精込めて育てられました。

ポイントは真空パック。お米の鮮度が保たれて酸化しにくいので、届いてから少し期間が空いても、フレッシュでおいしい状態で食べることができます。

2.5kgずつに小分けされているのもありがたいですね。人数の少ない家庭におすすめです。

あきたこまち産直農場自然工房|JAS有機栽培米あきたこまち 玄米5kg

家族みんなが安心して食べられるお米を目指して作られた、有機栽培米のあきたこまち。1つ前の商品は精米済みですが、こちらは玄米です。香り豊かで味わい深いのは、玄米ならでは。

農薬や除草剤は使わず、手作業で丁寧に作られたお米です。玄米なので、マクロビやヴィーガン食の方にもおすすめします。

ファーム前田屋|有機JAS認証 無農薬 ミルキークイーン 白米10kg

ミルキークイーンという品種はアミロース値が低く、やわらかくて粘りが強いのが特徴です。こちらのお米は、兵庫県たつの市で有機農法にて栽培されたミルキークイーン。農薬や化学肥料をいっさい使わず、「への字農法」という特殊な方法で育て上げました。

肥料の代わりにマメ科の「ヘアリーベッチ」という植物を用いたり、「くず大豆」で雑草を抑えたり、お米の味を底上げする天然にがりをまいたりと独自の工夫を施しています。

第三者機関によって残留農薬もゼロと認められ、安全でうまみの詰まったお米に仕上がっています。

ファーム前田屋|有機JAS認証 無農薬 ミルキークイーン 玄米10kg

1つ前に挙げた有機栽培米の玄米タイプです。玄米のままで食べる方でも安心して食べられるよう、石抜きや破米の除去を行い、異物や違和感を感じずに食べられるように仕上げています。

低温貯蔵により、お米の品質や風味が保たれているので、通年でおいしい玄米を召し上がっていただけます。もちろん、玄米の状態で購入しておき、ご自身で精米してもOKです。

有機JAS極上会津産コシヒカリ 白米5Kg

お米に詳しい人には名の知れた、福島県は会津坂下(あいづばんげ)地方で育った有機JASのこしひかり。自給自足を目標にして作り始めたお米なので、生産者本人たちが安心して食べられるものを提供しています。

有機肥料を用い、農薬を使わずに育てたお米は、独自の方法でしっかりと品質管理や検査を行い、放射能も検出なしと、ハイクオリティかつ安全です。

有機農園ファーミン|たきたて 無肥料自然栽培(有機JAS)玄米 3kg

「たきたて」という品種の宮城県産有機栽培米の玄米です。低アミロースでもちもちやわらかな食感を楽しむことができます。玄米なので白米以上に香り高く、冷めても硬くなりにくいので、いつ食べてもおいしく召し上がれます。

10年以上農薬や化学肥料を使用していないほ場で作られているので、残留農薬の心配もせずに済みます。自主的に放射能チェックも行っており、不検出です。

amazonの販売ページには発芽玄米の作り方も載っているので、興味のある方はぜひお試しください。

有機栽培米は化学肥料や農薬を使用せずに生産されたお米!

赤い野菜をメインに彩った有機栽培米について、しっかりご理解いただけたでしょうか。日本人の食卓には欠かせないお米なので、少しでも安心安全に食べてほしいという農家の思いやこだわりが伝わる栽培方法ですね。

化学的な農薬や肥料を使えば、簡単に害虫を除去できたり雑草を駆除できたりするところを、手作業や最低限の有機資材で苦労して育てています。普通のお米に比べて値段が高いのは、それだけ手間ひまがかかっているからでした。

この記事を読んで有機栽培米に興味を持った方は、ぜひ一度召し上がってみてください。お近くに売っていない場合は、インターネットでも購入できます。

参考:
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~(農林水産省)
有機農産物の日本農林規格(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
特別栽培農産物に係る表示ガイドライン(農林水産省)

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