ヴィーガンというと、玄米や野菜中心のヘルシーな食生活というイメージがありますよね。
でも、ヴィーガン食において不足する栄養はないのかというと、断言できません。そこで、手軽に栄養を補給できるのがサプリメントです。
今回は、ヴィーガンの人がサプリで補うのにおすすめの栄養素をご紹介します。また、ダイエット目的でヴィーガン生活をする方のため、気をつけたいポイントもお伝えしますね。
ヴィーガンがサプリメントを摂取するなら? おすすめの栄養素の情報を紹介
ここからは、ヴィーガンの人にとって不足する可能性があり、サプリで補給するのにおすすめの栄養素を7つご紹介します。いつもの食事の栄養を鑑み、必要があれば摂ってみてください。
1. たんぱく質
ヴィーガンの食事では、肉や魚、乳製品といった動物性たんぱく質を積極的に摂ることはすすめられていません。植物性たんぱく質である程度補うことはできますが、不足する可能性は十分にありえます。
たんぱく質は筋肉や臓器、皮膚、ホルモン、酵素など体のあらゆるものを作る元となる大切な栄養素。不足状態が進むと体力や免疫力が落ち、病気になるリスクも高まります。
たんぱく質の摂取目標量は、健康的な成人男性で1日に75~150g、女性で1日に57~120gが最低とされています。今のところ日本では、1日のたんぱく質摂取量の上限には決まりはありません。
食事で足りないならサプリでしっかりと摂りましょう。ヴィーガン向けのプロテインサプリも販売されています。
ただし、腎臓が弱い方や腎臓機能に問題を抱えている方は摂りすぎに注意が必要です。
2. オメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸とは、「ALA(αリノレン酸)」「DHA(ドコサヘキサエン酸)」「EPA(エイコサペンタエン酸)」といった脂質のこと。血液凝固や筋活動、生殖活働などに必要な栄養素です。ALAは植物油などに、DHAやEPAは脂身の多い魚や甲殻類といった魚介類に多く含まれています。
ヴィーガンでは魚をあまり食べません。しかし、オメガ3系脂肪酸が不足すると、皮膚炎などになる可能性があります。体の中で作ることができない栄養素なので、食べ物やサプリメントから摂取するしかありません。
日本人のオメガ3系脂肪酸の摂取目安量は、成人男性で1日2.0g前後、女性で1.5~2.0g前後です。インターネットでは、ヴィーガン向けのDHAなどが販売されています。
3. 鉄分
鉄分は赤血球の中のヘモグロビンに多く存在する、ミネラルの1種です。不足すると貧血になるのはよく知られていますね。ヴィーガン食で動物性の食品を摂らないと、欠乏しやすくなります。
特に女性の場合、月経・妊娠・授乳により不足しやすい栄養素です。18歳以上の女性の場合、月経中は1日8.5~11mg程度の鉄分が必要とされています。平常時は5~6.5mgを目安に摂取しましょう。また、成人男性は1日6~7.5mgが目安量です。
ヴィーガン対応の鉄サプリも売られているので、足りないと感じる方はぜひチェックしてみてください。
4. 亜鉛
亜鉛はミネラルの1種で、細菌やウイルスの防御、たんぱく質やDNAの合成など重要な役割を担っています。しかし、肉類や魚類などに多く含まれるため、ヴィーガン食では不足しがちな栄養素と言えます。
さらに、ヴィーガンでよく主食やたんぱく質源として用いられる「玄米」や「大豆」には、亜鉛と結合して亜鉛が体内に吸収されるのを阻害する「フィチン酸」が含まれます。この現象を少しでも抑えるため、低フィチン酸の玄米や大豆の生産が進められています。
日本における1日の亜鉛の摂取量目安は、男性で8~8.5mg、女性で7.0mg前後です。必要に応じて補いましょう。
5. カルシウム
カルシウムは言わずと知れた、骨や歯を作るもととなる栄養素です。牛乳など乳製品に多く含まれるので、ヴィーガンの食事では不足することも考えられます。カルシウムが欠乏すると、骨粗鬆症や高血圧などの症状を引き起こす可能性があります。
日本人の大人の男性で1日に700~800mg、女性で600~660mg程度の摂取が推奨されています。タブレットタイプの飲みやすいサプリもあるので、カルシウム不足の方はぜひどうぞ。
6. ビタミンB12
ビタミンB12は動物性食品に含まれる栄養素。一般的に植物性食品には入っていないため、ヴィーガンで欠乏しやすい栄養素の1つです。神経や血液の健康を保ち、DNAの生成にも大きく関わります。
健康な成人のビタミンB12の必要量は、男女ともにわずか2.4μgです。しかし、この少量が不足しただけで、巨赤芽貧血や衰弱、しびれ、うつ、認知症などを引き起こす恐れがあります。トローチタイプなどのサプリメントで、しっかりチャージすることが大切です。
7. ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けることにより、骨の維持や強化に役立ちます。脂肪性の魚(サケやマグロなど)に多く含まれるビタミンD3や、キノコ類に含まれるビタミンD2などがあります。不足すると骨軟化症になる恐れがあります。
日本人の摂取目安量は1日5.5μgです。ビタミンB12同様、ヴィーガンで不足しやすい栄養素なので、サプリメントで補う必要があるのではないでしょうか。 ヴィーガン/ベジタリアン向けのサプリも販売されています。
栄養素以外にも! ヴィーガン食でダイエットする時の注意点は?
ダイエット目的でヴィーガンの食事を実践している人もいることでしょう。ヴィーガン食でダイエットをする際は、栄養面に気をつけるのはもちろんですが、ほかにも注意点があります。
大きく3つに分けてまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。上手にヴィーガン食を取り入れて、スリムなボディを目指しましょう。
1. 食べすぎない
ヴィーガンの食事ならいくら食べても太らない?いえいえ、そんなことはありません。ヴィーガン食がコッテリした揚げ物やラーメンに比べてヘルシーだからと言って、食べすぎは禁物です。
2. ヴィーガン商品=低カロリーとは限らない
「ヴィーガン食ならカロリーが低いだろう」と思っていませんか?しかし、たとえばフライドポテトのように、ヴィーガンでも高カロリーの食べ物も存在します。
また、果物は糖分がたっぷり含まれるので、カロリーは高くなくても、食べすぎるとダイエットには良くありません。
3. 栄養バランスに気をつけつつ野菜をたっぷり取る
ヴィーガン食やヴィーガンでのダイエットに慣れていない人は、炭水化物や根菜類といったおなかに溜まるものを多く食べてしまいがちです。しかし、ヴィーガンでダイエットをするなら、特に野菜をたくさん食べましょう。
ヴィーガンでは主食として玄米がよく使われますが、炭水化物なのでとりすぎは控えたいところ。たんぱく質は大豆などで補い、栄養バランスを考えつつも野菜を多めにとることを心がけましょう。
ヴィーガン用の食事・食品で足りない栄養素はサプリで補う方法もおすすめ
ヴィーガン食は、栄養満点の完璧な食事法と思っていたかもしれません。しかし、今回見てきたように、動物性食品にたくさん含まれる栄養素はどうしても足りなくなりがちです。健康的に長生きすることを目指すのがヴィーガンなので、栄養不足で病気になっては本末転倒。
とはいえ、食べるものには気を遣いたいですよね。せめて栄養素のうち必要な分だけはサプリできちんと補い、元気ではつらつとした日々を送りましょう。ヴィーガンで健康的なスマートボディに慣れたら最高ですね。