普段スーパーやネット通販などで鶏肉を購入する際は、どのように選んでいますか?好きな部位、産地、量などさまざまな基準があると思いますが、今回は、オーガニックのチキンを選択肢に含めることをご提案します。
では、オーガニックの鶏肉のどんな点がおすすめポイントなのでしょうか。オーガニックチキンの特徴を解説し、入手できるサイトも例示します。
オーガニックのチキンとは? 普通のものとどこが違うの?
では、ここから早速オーガニックのチキンとは何か、普通のものとはどこが違うのかについて解説します。
有機栽培された飼料を食べて育った鶏を使用
オーガニックのチキンは、一般に市販されているチキンと異なり、有機栽培された飼料を食べて育った鶏が原料であることが最大の特徴。「有機」と「オーガニック」は同じ意味の言葉なのです。
有機栽培というのは、「有機農業」とも呼ばれる生産システムのことで、化学肥料や化学的な農薬、遺伝子組換え技術などの人工的なものを使用せず、太陽光・天然水・天然の土壌などの力を生かして大自然の中で作物を育てます。
細かく厳しい規定が設けられており、有機認証機関によってすべての基準を満たしていることを認められなければなりません。
飼育環境にも規定がある|抗生物質や合成抗菌剤の不使用など
さらに、オーガニックのチキンは飼育環境にも規定が存在します。たとえば、
- 抗生物質や合成抗菌剤を使用しない
- 温度・湿度・明るさ・換気を適切にする
- 使用が認められている薬剤以外のものを清掃や消毒に使用しない
などの項目が定められています。
有機認証検査をクリアして販売されている
以上のように、オーガニックのチキンは厳しい基準項目が定められた有機認証検査をクリアして販売されています。
日本の有機認証検査|有機JAS
オーガニックは国や地域ごとにさまざまな規格が存在しています。
日本では、農産物・加工食品・飼料・畜産物の4つの部門において、「有機JAS」と呼ばれる公的なオーガニック規格があります。有機JASに認定されると、有機JASマークを貼ってオーガニック商品として売り出すことができるのです。
オーガニックのチキンはなぜおすすめなの?
ここまでの内容を参考にしつつ、オーガニックのチキンはなぜおすすめなのかについて解説しましょう。
安全性が比較的高くて安心!
前述のように、オーガニックの鶏肉は厳しい規定に基づいて生産されています。そのため、飼料の残留農薬や遺伝子組換えの使用など安全面が気になる方も、安心して口にできるでしょう。
オーガニックのチキンにもデメリットはある?|価格が高め
オーガニックチキンは国内ではほとんど生産されておらず、流通量が少ないため、手に入りにくいのも事実です。販売数が少ないうえに、生産や輸入に手間とコストがかかるため、価格が高めであることもデメリットといえるでしょう。
一般のスーパーでは、安いと100g100円以下で売られることもある鶏肉ですが、オーガニックの場合、インターネットのショッピングサイトで100gあたり300円~400円ぐらいで売られている商品もあります。
オーガニックのチキンを選ぶポイントを解説!
つづいては、オーガニックチキンの選び方を解説します。
1. オーガニックのマークをチェック
まずはオーガニックのマークがあるかをチェックしましょう。マークがあれば、厳正な認証基準をクリアした商品であることが一目でわかります。
2. 部位で選ぶ
もちろん、チキンの部位で選ぶ方法もあり。主な部位の特徴と調理方法の例をお伝えします。
手羽先・手羽元
手羽とは、鶏の上腕から手の先端までの辺り。上腕に近い部分を手羽元、先端部分を手羽先、間の部分を手羽中といいます。
手羽先の唐揚げが名物になっているお店もあるように、唐揚げにしてもおいしいですし、コクがあるのでスープや煮込み料理にも適しています。
むね肉
むね肉は、あっさり食べられてタンパク質も豊富な部位。サラダチキンや鶏ハム、ピカタ、チキン南蛮などで召し上がってみてください。
もも肉
もも肉は、コクと旨みが詰まった部位。鶏肉の中で一番好きな部位という方も多いことでしょう。唐揚げ、炒めもの、ステーキ、照り焼き、カレーやシチューの具などにどうぞ。
ささみ
ささみはむね肉の1種で、鶏の胸骨の周辺にある笹型の身。脂肪が少なくさっぱりしています。茹でてサラダや和えものの具にしたり、棒棒鶏、ささみチーズカツなどにしたりと、いろいろなアレンジができます。
3. 形状で選ぶ
使い道が決まっていれば、ミンチ、骨付きもも肉、唐揚げ用など、チキンの形状で選んでもよいでしょう。調理しやすくて便利です。
ネットで注文OK! オーガニックのチキンを購入できるサイト3選を紹介
購入したくても、近くのスーパーではオーガニックチキンを扱っていない、という方も多いはず。そこで、インターネットでオーガニックのチキンを購入できるサイトを紹介しましょう。
ビオ・マーケット|有機JAS認定のチキン
有機JASや海外のオーガニック認証を受けた商品などを取り扱う「ビオ・マルシェ」が運営するネットショップ、ビオ・マーケット。
購入できるチキンは希少な国産。茨城県の羽石農場で、有機栽培の大豆やトウモロコシを食べてのびのびと育った鶏の有機JASチキンで、ミンチ・ささみ・むね肉・もも肉などがあります。
羽石農場は、なんと1996年からオーガニックチキンを生産。日本では有機飼料の確保が難しく、輸入飼料を使用していますが、国産の有機飼料米の導入を目指しているそうです。今後が楽しみですね。
ホライズンファームズ|ニュージーランド産チキン
世界中の小規模農場で、大自然のなかフリーレンジ(放し飼い)された家畜から得られる肉を取り扱っている、ホライズンファームズ。安全性、アニマルウェルフェア(動物福祉)、持続可能性など、さまざまなこだわりを持って商品を厳選し、私たちに提供しています。
ホライズンファームズで販売しているオーガニックチキンは、ニュージーランドのボストックブラザーズ農場というオーガニックのリンゴ畑の中で育てられた鶏から得られます。ボストック兄弟から愛情を込めて育てられた放牧鶏の旨みを、存分にご堪能いただけるでしょう。
なお、現地ニュージーランドでオーガニック認証を受けたチキンですが、2020年7月の日本の法改正により、「オーガニック」という表記ができなくなってしまったそうです。品質はお墨付きですので、安心してお召し上がりください。
グルメソムリエ|フランス産チキン
生ハム、食用肉、チーズなどの輸入販売を行っているグルメソムリエ。
フランスのランド地方で育成された「プレジョーヌ(赤毛地鶏)」の、オーガニック骨付きもも肉を購入できます。ほんのりと黄みがかった薄い皮が特徴で、パリッと香ばしく焼くのもよし、煮込んでホロホロにしてから頂くのもよし。
品質が良く、ジューシーで濃厚な旨みが詰まった骨付きチキンは、一度食べたらやみつきになるかもしれません。
オーガニックのチキンを料理に取り入れてみよう!
オーガニックのチキンは、飼料や飼育環境など厳しい条件の下で生産されていることがわかりました。そのぶん生産農家や販売者の愛情とこだわりが詰まっているので、食肉の安全性が気になる方にもきっとご満足いただけることでしょう。
今回の記事を読んでオーガニックチキンに興味を持った方は、ぜひ一度味わってみてください。
参考:
有機飼料の日本農林規格(農林水産省)
有機畜産物の日本農林規格(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)