オーガニック食品が好きな人たちの中には、バターもオーガニックのものを試してみたいと思っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこのページでは、健康志向の人たちに人気のオーガニックバターについて詳しく解説していきます。後半ではおすすめの商品も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
オーガニックのバターと普通のバターの違い
そもそも、オーガニックバターとはどのようなバターなのでしょうか。ここでは、オーガニックのバターついて詳しくお伝えします。また、普通のバターとの違いについても解説していきましょう。
厳しい有機栽培の基準を満たした飼料などで育てられた牛の乳からできている
オーガニックバターは普通のバターとは違って、有機栽培された飼料(牧草や穀物など)を食べて育った牛や羊などの乳が原材料として使われています。
有機栽培とは、
- 化学的に合成された農薬や化学肥料を使用しない
- 遺伝子組み換え技術が使われていない
- 自然との共生や環境問題に配慮された栽培管理方法
などの厳しい基準を満たした農業のことです。日本では、「有機JAS」という規格の中で細かい基準が定められています。
加工の過程にも厳しい基準がある
オーガニックバターは普通のバターとは異なり、加工の過程にも厳しい基準が設けられています。加工の際は、添加物の使用を最小限にしたり、洗浄剤や消毒剤などに汚染されないよう管理したりする必要があります。
牛たちのエサだけでなく、飼育環境や乳搾り、乳からバターを作り出す際の条件などすべて「有機」としての適切な状況が整ったうえで、ようやくオーガニックバターとして「有機JAS」などの認証を受けることができるのです。
グラスフェッドバターとはどこが違うの?
前述したとおり、オーガニックバターには牧草や穀物などの有機飼料を食べて育った動物の乳が使われています。
それに対して、グラスフェッドバターの原料になる動物のエサは牧草のみ。グラスフェッドバターの「グラス」は牧草、「フェッド」はエサという意味です。
なお、グラスフェッドバターの中には、有機牧草で育った動物の乳で作られた、オーガニックのグラスフェッドバターもあります。
なぜ人気? オーガニックバターをおすすめしたい理由とは
オーガニックバターはなぜ人気なのでしょうか。ここでは、オーガニックバターをおすすめしたい理由について見ていきましょう。
安全性が比較的高いため安心して使用できる!
はじめにお伝えしたように、オーガニックバターは厳しい有機認証基準をクリアしている商品です。化学的な農薬や化学肥料が使われておらず、添加物もあまり使用されていません。そのため、比較的安心して口に入れることができるでしょう。
普通のバターに比べて価格が高め
比較的安全性が高いオーガニックバターですが、こだわって作られているため、どうしても値段が高くなってしまいます。安いオーガニックバターでも、200gあたり1,500円ほど。スーパーで売られている普通のバターと比較すると、値段が3倍ほど高いです。
オーガニックバターを選ぶための方法
オーガニックバターを選ぶときはどんな点に気をつければいいのでしょうか。確認したいポイントを解説していきましょう。
1. 認証マークをチェック|有機JASなどの認証を取得しているか
オーガニックバターを選択する際は、有機認証マークがあるかどうかを確認してください。日本で認証を受けているバターには、有機JASマークが貼られています。
また、欧米諸国など海外のオーガニック認証マークがあるものもおすすめです。
2. 製法で選ぶ|発酵バター・非発酵バター
オーガニックバターを購入する際は、製法で選ぶのも良いでしょう。ここでは、発酵バターと非発酵バターについて解説していきます。
発酵バター|豊かな風味が特徴
発酵バターは、ヨーロッパで一般的に使用されているバターです。
乳酸菌を加え、ゆっくりと乳酸発酵させて作られます。独特の風味やコクに加え、ヨーグルトのような酸味を味わえるのが特徴です。バター特有のコクや風味をしっかりと味わいたい方は、発酵バターを選ぶと良いでしょう。
しかし、発酵バターは非発酵バターよりも鮮度が落ちるのが早いので、日持ちさせたい場合は、非発酵バターを選ぶと良いでしょう。
非発酵バター|クセがなくて食べやすい
非発酵バターは、日本のスーパーなどで一般的に売られているバターです。その名のとおり、発酵させずに製造されています。クセがなくて食べやすいのが特徴。また、前述したとおり、発酵バターよりも賞味期限が長いです。
3. 塩の添加で選ぶ|有塩・無塩
使用目的に応じて、塩の添加で選ぶのもポイントです。有塩バターと無塩バターの特徴について見ていきましょう。
有塩バター|トーストなど普段使いにおすすめ
トーストやパンケーキを食べる際など、普段使いにおすすめの有塩バター。
有塩バターは、食塩を加えて製造されたバターです。メーカーによって異なりますが、基本的にバター100gに対して約1.5%の塩が使われています。塩分を感じることができるので、調味料として使用することも可能です。
また、塩が入っていることから、無塩バターよりも1ヶ月ほど保存期間が長いといわれています。
無塩バター|製菓や製パンにおすすめ
無塩バターとは、食塩不使用のバターです。塩が添加されていないので、バターそのものの風味を感じることができます。また、調理の際に塩分の影響が出ないことから、お菓子やパン作りにも適しているでしょう。
産地(原産国)で選ぶ
オーガニックのバターの生産地は世界各国さまざまです。酪農が盛んな場所で製造されたバターなら、味や品質にも期待が高まりますね。原産国による違いを見ていきましょう。
国産|日本製
まず、日本国内で作られるオーガニックバターについてです。細かく定められたたくさんの認証基準をクリアして、有機JAS認定を受けた商品が発売されています。
しかし、製造に手間ひまがかかり、また認証を受けるにも費用がかかるため、国産のオーガニックバターは数として少ないのが現実です。後ほど、広い土地と豊かな自然のおかげで酪農が有名な、北海道産の有機JAS認定商品を取り上げましょう。
また、有機JAS認証は受けていないものの、オーガニックの条件に準拠した環境で生産されているバターもあります。
海外産|フランスやニュージーランドなど外国製
海外では、フランスやニュージーランド製のバターが有名です。もちろんオーガニックではない商品もありますが、広々とした草原で有機のエサを食べながらのびのびと放牧された、牛やヤギなどのミルクで作られたオーガニックバターも存在します。
輸入もののため、価格は高めの傾向がありますが、国産オーガニックバターと食べ比べるのも楽しいのではないでしょうか。
オーガニックバターのおすすめ商品を紹介!
さまざまなオーガニックバターが販売されている中で、今回は2種類のおすすめ商品を紹介します。どのオーガニックバターを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
Grand Fermage(グランフェルマージュ)|バイオ・グラスフェッドバター
フランスのグランフェルマージュ社が提供するバイオ・グラスフェッドバターは、有塩と無塩の2タイプがある発酵バターです。香りが良く、ほのかな酸味があるのが特徴で、口の中に入れるとクリームのようにとろけます。
バイオ・グラスフェッドバターは、農薬や化学肥料を一切使用せずに作られたオーガニックバターです。ヨーロッパでは認知度が高いEUオーガニックとABマークを取得しています。
ABマークとは、フランス政府が制定したオーガニックの証となるマーク。ABマークを取得しているバターはまだ少ないとされているので、ぜひ一度味わってみてください。
Pur Natur(ピュアナチュール)|発酵バター
ピュアナチュールの発酵バターは、こだわりの有機生乳を使って作られているオーガニックバターです。日本よりオーガニックへの意識が高いヨーロッパのEUオーガニック認証を取得しています。
さらに、厳しい審査で世界の食品や飲料品の評価を行っている、国際味覚審査機構(International Taste Institute)の2020年度優秀味覚賞の2つ星を受賞した商品でもあります。
「チャーン製法」と呼ばれる伝統製法を受け継いだ、ベルギーの2人のバター職人が手間を惜しまず丁寧に製造。18時間じっくりと発酵させて作られ、新鮮なミルクの風味、濃厚なコク、さわやかな酸味など、バターの深い味わいを楽しめます。
無塩バターですので、製菓や製パンのほか、バターコーヒーなどで頂くのもおすすめですよ。
セタナオーガニック|有機バター
北海道の瀬棚(せたな)で製造されるセタナオーガニックの有機バターは、日本で初めて有機JASマークを取得した乳製品です。
広大な牧草地でのびのびと育った牛の乳から作られています。充填機などの機械を使わず手作業で詰めているため、年間でおよそ100kgしか生産することができない貴重なバターです。
油臭さがなく、滑らかなのが特徴。少量の食塩しか加えられていないので、まずはそのまま食べてみましょう。濃厚なバターなので、バターの味をしっかりと味わえますよ。
また、パンに塗って食べるよりも、お酒のアテにしたり、バターコーヒーやバターミルクティーに使ったり、ハチミツをかけてデザート感覚で食べたりするのがおすすめです。
値段も高価ですが、ぜひ一度、「乳製品のオートクチュール」とも表現されるラグジュアリーなバターを試してみてください。大切な方へのギフトにしても喜ばれるでしょう。
North Plain Farm(ノースプレインファーム)|オホーツクおこっぺ有機醗酵バター 食塩不使用
ノースプレインファームは、北海道の興部(おこっぺ)町にある牧場兼ファクトリー。オホーツクの自然を生かした、ミルク本来のおいしさを届けたいという思いで農業や商品生産を行っています。
オホーツクおこっぺ有機醗酵バターは、有塩と食塩不使用の2種類がある有機JAS認証商品。自社牧場で得られた有機生乳を乳酸菌発酵させた生クリームから製造されます。
伝統のチャーン製法で熟練の技を駆使して作られたバターは、フレッシュでクリーミーながら爽快な酸味を感じられる独特の味わいです。一口食べるだけで心から幸せを感じられるようなおいしさ。
オーガニックのわりに低価格なので、初めてオーガニックバターを買う方も手に取りやすいでしょう。
North Plain Farm(ノースプレインファーム)|オホーツクおこっぺ有機醗酵バター 食塩不使用
岩手県宮古市のしあわせ牧場
画像出典:しあわせ牧場Instagram
24時間365日、完全放牧で牛一頭あたり3000坪もの広大な土地で自由に育てられているストレスフリーな牛、ヤギ、羊が暮らしています。自然の中で生きる動物たちの暮らしを尊重し、彼らから幸せを分けてもらったバターをいただくことができます。
しあわせ牧場は、有機農法にも使われる肥料や製法すらも使わずにもっと自然で野生的な育て方、岩手の山の牧草だけを餌にしている牛達のいる牧場です。100%牧草飼育のグラスフェッドミルクを使用したバターは、より生乳に近い味で、コクがある生クリームのようなバターになります。
自然な牧草を食べているので、四季によって脂肪分や味わいの変わる本物のミルクを使っています。いつも同じ味ではないことが、より自然な食べ物であると理解できるはずです。公式YouTubeでは広大な環境やのびのびと育つ動物たち、そして加工品の製造過程なども見られるので安心安全を確認できるでしょう。
オーガニックの証である有機JAS認証を受けてはいませんが、オンラインで販売されているグラスフェッド生バターをぜひ一度試してみてください。本当の生乳でつくる自然を感じる美味しさに驚くことになるかもしれません。
香り高いオーガニックバターを料理に取り入れてみよう!おすすめブランドはセタナオーガニック
このページでは、オーガニックバターの特徴や選ぶ際にチェックするポイント、おすすめの商品について紹介しました。
オーガニックバターは、厳しい基準をクリアした品質の良い商品であることが分かり、より一層試してみたくなった方もいるのではないでしょうか。
なかでも特に推したいのは、セタナオーガニック。乳製品における有機JAS認証のパイオニアといえるブランドです。酪農に適した自然環境のなか、牛たちはストレスを抱えずのんびりと育っています。
品質に徹底的にこだわった希少かつゴージャスな有機バターは、見た目にも高級感あふれる最上級の逸品。濃厚なのにすっきりした後口と、驚くほどのなめらかさで、味も一級品です。バター好きの方なら一度は口にしてみたい商品なのではないでしょうか。
参考:
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~(農林水産省)
有機飼料 検査認証制度ハンドブック(農林水産省)
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
三児の母であり、女性や子供達に体の使い方から日々心身の健康を考えるボディマネジメントインストラクター。運動などの一方向からだけでなく、養生や体を作る食べ物も健康に必要であると考え、オーガニックで体にいいものを取り入れる体の作り方も推奨。
保有資格:スポーツフードスペシャリスト