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オーガニックの日本酒の利き酒セット

オーガニックの日本酒は普通のものとどこが違うの? おすすめ商品3選を紹介!

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2021.06.20

普段から日本酒をたしなんでいる方は、好きな酒造メーカーや銘柄があることでしょう。いつも同じ日本酒を飲むのもいいですが、ときには違うタイプにも目を向けてみませんか?

今回ご紹介するのはオーガニックの日本酒です。日本酒にオーガニックのものがある、ということをご存じない方もいらっしゃるはず。オーガニックの日本酒とはどんなお酒なのか、こだわりや特徴に迫ります。

オーガニックの日本酒とは? 普通の日本酒との違いを解説!

オーガニックの日本酒の徳利とお猪口2つここから早速、オーガニックの日本酒とはどういうものかを解説します。普通の日本酒との違いに注目してみましょう

有機栽培されたお米から製造されている

日本酒の原料といえばお米。オーガニックの日本酒は、有機栽培米を使って製造されていることが一番の特徴です。
有機純米酒 天鷹

もともと「オーガニック」という言葉には「有機(の)」という意味があります。そこから派生して、有機栽培された農作物や、有機作物から作られた製品を指すこともあるのです

では、有機栽培とはどんな栽培方法なのでしょうか。

日本では農林水産省の管轄で、「有機農業」とも言われます。土壌・水・空気など自然の力を生かして育てる農業で、肥料には動物のフンや野菜・果物の皮などを用い、草取りは手作業で行うなど、化学的な肥料や薬剤を使用しません

化学の力を使えば簡単に済む作業も、手間と時間をかけて丁寧に行われます遺伝子組換え技術も使われていません。オーガニックと認められるには数々の細かい基準があり、基準に沿っていなければオーガニックと名乗れないのです。

オーガニックの日本酒の原料となるお米も、このように丹精込めて作られています。一方、一般的に出回っている普通の日本酒は、オーガニックのような原料の規定がありません

原料の加工過程にも厳しい基準がある

オーガニックの日本酒は、加工の過程でも厳しい基準が設けられています。せっかくお米が有機栽培されていても、加工時に化学的なものを加えてしまっては台無しになるためです。放射線の照射や、遺伝子組換え技術を用いたものを加えることなども禁止されています

そのぶん、オーガニックと認められた日本酒は比較的安全性が高いといえるでしょう

日本の有機認証基準|有機JAS

日本酒に限らず、オーガニックとして売り出すためには、所定の認証基準をクリアして専門機関に認められなければなりません

日本には、有機の認証基準として「有機JAS」という規格があります。認証機関によって「有機の基準を満たしている」と認められると、有機JASマークを付けてオーガニック商品として販売することができます

ただし、現状として有機JASの認定は、農産物・加工食品・飼料・畜産物の4つの分野のみ酒類は食品などとは異なる部分があります

酒類に有機JASマークがない理由とは?

先ほど、有機栽培は農林水産省の管轄であるとお伝えしました。しかし、日本酒を含む酒類は国税庁の管轄のため、農林水産省管轄の有機JASマークは付けられないのです

そこで、有機JASマークではなく、お酒のラベルなどに「有機又はオーガニック」「有機農産物加工酒類」のように表示することになっています。なお、有機の基準は農林水産省と同等です

なぜおすすめなの? オーガニック日本酒のメリットとは

オーガニックの日本酒を飲む女性厳しい基準を満たしてようやく世の中に登場しているオーガニックの日本酒。つづいては、メリットやデメリットについてお伝えします。

厳しい基準をクリアして販売されているから安心度が高い

前述のように、厳しい認証基準をクリアしたものだけがオーガニック日本酒として販売されています。原料の生産やお酒の醸造の過程でも化学的なものが使われないため化学物質が気になる方でも比較的安心して飲めます

オーガニックの日本酒にもデメリットはある?

オーガニックの日本酒のマイナス点としては、普通の日本酒と比べて

  • 価格が高めであること
  • 流通数が少ないので選択肢が狭まってしまうこと

の2点が挙げられます。

1つ例を出すと、同じメーカーの同じ量の日本酒で、オーガニックの日本酒は普通の日本酒の約1.3倍という値段で販売されています

また、オーガニック日本酒は原料の生産にも醸造にも手間ひまがかかるため、製造しているメーカーが少なく種類が限られてしまうのも事実

数が少なく価格は高めながらも品質の良い商品がそろっているので、オーガニック日本酒が気になった方はぜひ一度お試しください。

どこで選ぶ? オーガニック日本酒を選ぶポイントを解説

オーガニックの日本酒の器次は、オーガニック日本酒を選ぶポイントについて解説しましょう。

1. オーガニック・有機表示があるかを確認する

まず、ラベルや包装などに「オーガニック」「有機」という表示があるかをチェック。きちんと表示されているものは、オーガニックであると証明されているということです。

「USDA」「ECOCERT(エコサート)」など、海外のオーガニック認定を受けている商品もあります

2. タイプで選ぶ

日本酒にはいくつかのタイプがあり、タイプで選ぶ方法もあります。「純米酒」「大吟醸」などの単語を聞いたことがある方も多いことでしょう。タイプによって、アルコール度数や醸造の仕方、味わいが異なります

純米酒は米・麹・水だけで作られた日本酒で甘口のものが多く、大吟醸はその3つに醸造アルコールが加わったもので辛口のものが多いです。また、純米吟醸や純米大吟醸などの種類もあります

3. 酒米で選ぶ

日本酒に使われるお米は「酒米(さかまい)」、正式名称は「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」といいます。酒米の種類で日本酒を選んでも良いでしょう。

酒米の種類には、

  • 山田錦:香りが良く品の良い味わいの日本酒ができる
  • 五百万石:キリッとしたキレのある味の日本酒ができる

などがあります。

4. 日本酒度で選ぶ

日本酒度とは、お酒の比重を示す数値日本酒に含まれる糖分の量に左右されます。

数値が高ければ高いほど辛口、低ければ低いほど甘口。具体的な数値としては、+1.5~+6以上が「やや辛口」~「大辛口」、-1.5~-6以下が「やや甘口」~「大甘口」とされます。

好みの味わいで選ぶときの基準にしてみてください。

おすすめのオーガニック日本酒3選を紹介!

オーガニックの日本酒の徳利最後に、おすすめのオーガニック日本酒を3つご紹介します。選び方のポイントと照らし合わせながらチェックしてみてください。

天鷹酒造|有機純米酒 天鷹

「有機五百万石 有機あさひの夢」という酒米を使用したオーガニック純米酒。キリッとクリアな辛口の味わいの中に、酒米のしっかりした旨みを感じられます

日本でオーガニック認証を受けているほか、アメリカの「USDA」やフランスの「エコサート」という有機認証も受けており、世界的に認められた日本酒冷やでも熱燗でもおいしく味わえるでしょう

美吉野醸造|南遷 プレミアムオーガニック

契約栽培の有機栽培酒米を使用した奈良県産のオーガニック日本酒。日本酒を作る際の発酵過程の1つとなる「酒母」の作り方が「山廃」と呼ばれるタイプの日本酒で、酵母菌の力強い酸味が特徴です。

しかし、全体としては甘口で、米から引き出されるまろやかな甘みを堪能できます 「甘口が好きだけど、ただ甘いばかりなのは苦手」という方におすすめです。

山名酒造|自然酒 ◯陽酒(山田錦)

有機栽培の「山田錦」という酒米から作られたオーガニック純米吟醸酒。やや辛口で、口当たりが良くやわらかな味わいを楽しめます

一口飲むたびに山田錦ならではの余韻が感じられるので、時間をかけてゆっくり飲める日におすすめ

オーガニック日本酒で有機米の味わいを楽しもう

オーガニックの日本酒を持っている女性オーガニック日本酒の魅力を十分に感じられたでしょうか?これまでオーガニックという言葉の意味を知らなかった方も、オーガニック日本酒のこだわりを知って飲んでみたいと感じたかもしれません。

今回の記事の選び方や商品例を参考に、気になるオーガニック日本酒を召し上がってみてください。

参考:
有機食品の検査認証制度(農林水産省)
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~(農林水産省)
有機加工食品の日本農林規格(農林水産省)
酒類における有機の表示基準を定める件(国税庁)

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